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インフレが上昇を始める瞬間:ブラックストーン

Blackstoneのジョー・ザイドル氏が、インフレ到来のリスクを警告した。
現在の金融・政治環境が、かつてインフレ時代の原因を生んだ1960年代に似ているのだという。


「用心しなければいけないのはインフレだ。
賃金とCPIの間には強い相関が生じる傾向がある。
賃金インフレというストーリーが始まりつつある。」

ザイドル氏がウェブキャストで警告した。
エコノミストや市場関係者の中にはいまだに《リスクはインフレではなくデフレ》と唱える人も多い。
しかし、2018年を通して、インフレのリスクの方が大きくなりつつあると考える人の数が増えている。
ザイドル氏もその1人で、極端なインフレはないだろうとしながらもインフレの時代の到来を予想している。
その根拠は、1960年代との類似である。

「1960年代の失業率を見ると、7%程度から始まって半分の3.5%程度まで下がっている。
この間、60年代のコアCPIは比較的安定し、これは60年代半ばまでを通して見られる。
1962年前後あたりにケネディ大統領は考えた。
『失業率は下がり、経済も良好だが、たいしたインフレはない。
先に進み、減税しよう。』
それで30年ぶりの減税が実施された。」

米国における1960年代のコアCPI(青)と失業率(赤)
米国における1960年代のコアCPI(青)と失業率(赤)


「物価はかなり安定していた。
そこで、1960年代半ば、1965-66年に政府は赤字財政支出を増やした。
その後4年間で連邦財政赤字を55%増やし、物価が上昇を始めた。
これが、1960年代終わりにインフレが上昇を始めた瞬間だった。
上昇は次の10年も続き、1980年代まで終わらなかった。」

米国における1960-80年代のコアCPI(青)と失業率(赤)
米国における1960-80年代のコアCPI(青)と失業率(赤)

その後3度の景気後退でも高インフレから脱するに至らなかった厳しい時代だった。
インフレ退治のためにFRBはFF金利を一時20%にまで引き上げなければならなかった。
ザイドル氏はこの原因を作った1960年代と現在が似ていると主張する。
失業率は低下を続けているのにCPIは安定的な状況が続いている。

米国におけるコアCPI(青)と失業率(赤)
米国におけるコアCPI(青)と失業率(赤)

この環境に対応した政治にも類似点が見られる。

「1960年代についてはこう言った:
安定した経済環境、減税、財政刺激策拡大がインフレに至った。
2018年は、かなり安定した経済、減税、財政支出拡大・・・
トランプ大統領が2018年にやったことを思い出せ。
減税だけでなく、赤字財政支出も行ったんだ。」

ザイドル氏は昨年11月、インフレ時代の資産クラス選択について解説している。


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