キニコス・アソシエイツのジム・チャノス氏が、米市場の混乱の中身を見て、自社の戦略への自信を強めいている。
私には全くわからない。
2020-21年に見られた過剰が排除されていく過程なのだと思う。
チャノス氏がCNBCで、24日日中の米市場下落がさらに続くかコメントを求められた。
同氏が言いたかったのは、単に相場の先行きが見通せないということばかりではない。
FRBの今後の行動が読み切れないと考えているようだ。
私が指摘したいのは・・・FRBは実体経済を心配し、株式市場についてはそれほどでもないかもしれないことだ。
チャノス氏は、2000年後半に始まったドットコム・バブルの崩壊過程を引き合いに出した。
同バブルは株式市場の一部で起こったバブルであり、その崩壊が経済に甚大な打撃を与えたわけではない。
同氏は経済の打撃を「穏やかな鈍化」だったと回想する。
一方、市場支持のための強烈な刺激策は講じられず、S&P 500は40%、NASDAQは80%の下落となった。
リーマン危機やコロナ危機では、FRBは市場支持につながる強力な刺激策を講じている。
今回FRBがどう行動するかについて、チャノス氏は「規定路線はない」と考えている。
「私の会社は、インデックスを買い、多くのバカげた銘柄を売ることを好んでいる。
まだこのやり方を続けるべきだろう。」
キニコスのファンドは現在ネットで10%のロングになっているという。
つまり、インデックスのロングの方が少しだけショート・ポジションより大きくしてあるわけだ。
(今後の市場がまだ上げる可能性の方が大きいと見てきたのかもしれない。
そうでなく、投機的賭けや変動率の差によるものかもしれない。)
チャノス氏は、より本質的なショート側の銘柄について触れている。
必ずしもテック株だけじゃない。
10-12年続いた強気相場の後、多くのありふれた商売がその実態に対して極めて割高な株価で売買されている。
自分のポートフォリオについて、何が本当に割安で、何が下げを覚悟しなければいけないか見直すべきだ。
ショート・セラーとは胆力を試される仕事だ。
ロング/ショートでバランスしていても、ショート側の「バカげた銘柄」はとんでもなくバカげた動きをすることがある。
実りの季節が来るまで、バカげた上昇により耐えがたい痛みが走るのがむしろ日常だ。
チャノス氏の話からは、ショート・セラーが報われやすい環境が訪れつつあることがうかがえる。
同氏は自身のファンドについて実感のこもった打ち明け話をしている。
「2020年・2021年初めはつらい時期だったが、昨年半ば以降はるかに痛みが和らいでいる。
市場から多くのバカげたものが駆逐され始めた。
ミーム株のバカ騒ぎから1周年であることも指摘したい。
ミーム株は行って来いになっている。」