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アレキサンダー・フリードマン:金融緩和脱出の条件

UBSで最高投資責任者CIOを務めたAlexander Friedman氏が、非伝統的金融政策についてコメントしている。
これら危機対応は早期に取りやめるべきとし、経済を市場の持つ安定化機能に委ねるべきという。


英語で最も恐ろしい9つの言葉は:
『私は政府から来ました。
あなたを助けに来ました。』

フリードマン氏はProject Syndicateへの寄稿で、ロナルド・レーガン大統領の言葉を引用した。
レーガン大統領やフリードマン氏が言いたいのは、政府が問題を解決しようとすればするほど問題を大きくしてしまう可能性だ。
そしてフリードマン氏がここで言いたかったのは、言うまでもなく金融政策のやりすぎである。
リーマン危機に対する危機対応として始まった金融政策が次の金融危機のタネを生み出しかねないと危機感をにじませる。

先進諸国の非伝統的金融政策に対するフリードマン氏の評価は辛辣だ。
役に立ったことも少なからずあっただろうに、それに言及するのをうまく避けつつ、3つの疑問点を呈している。


  • 所得格差の拡大: 超低金利は富裕層や企業の富を増やし、中間層以下を置いてきぼりにした。
  • パッシブ運用の拡大: 金融緩和に背中を押された一本調子の上げの中でパッシブ運用が積み上がり過ぎている。
    投資環境が変化しアクティブ運用有利になれば、反動が起こりかねない。
  • 量的緩和の巻き戻し: 金融政策正常化プロセスでは、債券急落、年金の財政問題、政府への負担のシワ寄せなどが心配される。

いずれも金融緩和の副作用の議論としてオーソドックスなものである。
非伝統的金融政策はなるべく早期にとりやめるべきというのがフリードマン氏の意見だ。
そして、その実行のためには2つの条件が担保される必要があるという。

  • 中央銀行の中立性
  • 正常化を十分にゆっくりと進めること

欧米についてはまさにその通りというところだろう。
米国では大統領が金融緩和を望む可能性がある一方、共和党の一部には引き締めを望む声がある。
欧州ではドイツが引き締めを急がせようとする一方、周辺国を中心に金融緩和に融和的な国が存在する。
日本のように日銀自らがその中立性を発揮し金融緩和を継続しようとしている場合、フリードマン氏が言うようなシナリオは実現が難しい。


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