バブル

 

アナトール・カレツキー:バブルじゃない

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FTなどでコラムニストを務めたAnatole Kaletsky氏が、現在の株高を「根拠ある熱狂」と称している。
金融危機後に講じられた非伝統的金融政策がついに実を結んだとの見方だ。

「多くのアナリストはいまだに(現在の株高が)人為的で持続不可能な金融刺激策によって生み出された一時的なバブルだと思っている。
しかし、金融政策は経済活動・企業収益・雇用の構造的な拡大を実らせようとしている。
この状況はさらに多くの年月続くだろう。」


カレツキー氏はProject Syndicateで、危機対応の政策が経済に根付いたと書いている。
現在の世界的な株高は「根拠なき熱狂」でもバブルでもなく、近い下落は考えられないとし、楽観論の4つの根拠を挙げている。

1. 世界同時的な景気回復
世界経済が同時に回復しつつあるが、過熱感もない。
インフレが高まらない中では、金融政策正常化を急ぐ理由もない。
結果、低金利が2020年までは続くとし、予想される株式の4-5%の実質リターンは魅力的だと言う。

2. 進む金融政策への理解
投資家が非伝統的金融政策への理解を進め、特に巻き戻しに対する過度な恐怖感を抱かなくなった。
実験的金融政策は経済にいい影響を及ぼし、FRBの金融政策正常化も混乱なくスムーズに進んでいる。


3. FRBの成功事例
FRBがうまく非伝統的金融政策を活用し、巻き戻しを進めていることが、他の中央銀行のロード・マップとなっている。
過去の世界経済の拡大期に比べ景気循環や金融政策の同期が少なくなっている。
これが、好材料・悪材料を打ち消し合う機会を与えている。

4. 同期を緩める企業収益
米企業の利益が頭打ちに近づくと、次に日欧・新興国がいい時期に入って来た。
そして、金利はまだ低い。

一方で、カレツキー氏は心配事も尽きないという。
債務負担、生産性、国家主義・保護主義、格差、・・・
カレツキー氏によれば、こうした心配は払拭こそできないものの、人々の市場予想は強く足元の状況に左右されるという。
つまり、足元がいいから将来の心配はさほど効いてこないとの楽観である。

むろん、カレツキー氏も楽観が行き過ぎれば反動が避けられないことは認めている。
仮想通貨はその域に達しているとも書いている。
しかし、より広く資産価格を見回すと、いまだバブルではないのだという。

「広く株式市場を見る限り、バリュエーションはまだ過剰ではなく、投資家も熱狂というにはほど遠い。
警戒感が続く限り、資産価格は下落するより上昇する可能性の方が大きいだろう。」


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