投資

アスペルガーが投資家としての成功に役立った:ビル・グロス
2019年3月3日

先月引退を公表した債券王ビル・グロス氏が引退の日に心境を語っている。
自身がアスペルガー症候群であることを明かし、その気質が自身の投資活動に大いに役立ったと語っている。


「金利はとても低く、かなりのデュレーションの資金を預かりリスクが比較的高い中で、リターンは1-2%というところだった。
・・・
だから、少し(運用の)制限を緩和しようと考えたんだ。」

グロス氏がジャナス・ヘンダーソン移籍後4年間の不振をBloombergで振り返った。
グロス氏は自ら創業したPIMCOを世界一の債券ファンドに育て上げた。
同氏の運用するトータル・リターン・ファンドは債券ファンドの代表格だった。
しかし、2014年、突然PIMCOを追われるように退社、ジャナスに電撃移籍した。

ジャナスではアンコンストレインド・ファンドを運用した。
これは債券ファンドではあったが、投資運用への制限が少なく、同ファンドのポートフォリオではレバレッジはもちろん、株式さえ組み込まれることになる。
事実上のヘッジ・ファンドだ。
運用成績が思わしくない中、これが批判を呼んだ。
こうしたことはPIMCO時代にはあまりなく、むしろ積極的なリスク・テイクが喜ばれていたとグロス氏は回想している。
ただし、結果については率直に自身の失敗を認めている。

グロス氏は今回ある告白を行い、市場関係者を驚かせている。

私はアスペルガー症候群なんだ。
アスペルガーの人間は、異なる心理状態を使い分けることができる。

メディアに露出している時のグロス氏からそうした側面を見て取るのは難しい。
いつも笑顔の紳士だからだ。
一方では、公私両方で怒りっぽいとの噂もあることはあった。
グロス氏自身もアスペルガーであるのを知ったのは数年前、すでに70歳を超えた時だったという。
診断された時、グロス氏は自分自身について思い当たることがいくつもあったという。
その一方で、自分は心理状態をうまくコントロールしてきたとも回想する。
夜に離婚やPIMCOのことを思い出し感情が高まることがあっても、仕事になれば引きずることはない。

「みんなアスペルガーのことをいつも怒っているとか愚か者とか言うだろう。
しかし、この気質は細かなことに紛らわされることなく長期的なことに集中するのに役立つんだ。」

グロス氏は、長期的に30,000フィートの上空から投資環境を俯瞰する上で、アスペルガーであったことが大いに役にたったと回想している。
では、同氏以外のアスペルガーの人たちも投資で成功できるのか。
グロス氏の答はYesだがNoだ。

私が(投資を)始めた時と市場は大きく変化した。
よりその日その日となり、ロボットが普及し、機械で占められている。
・・・だから、(アスペルガーは)マイナスではないだろうが、たぶん大きくプラスというわけでもないだろう。


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