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アジアで供給網の混乱が発生:モハメド・エラリアン

アリアンツ経済顧問のモハメド・エラリアン氏が、史上最高値更新を続ける米国株市場の好材料・悪材料を解説し、看過できないインフレのリスクを警告している。


「ボトムアップで企業収益が強く、トップダウンで流動性が潤沢なら、史上最高値が続いておかしくない。
その他の勘案事項はすべて棚上げしてしまうだろう。
今週もその一例の週となった。」

エラリアン氏がBloombergで、今週の米国株市場を総括した。
上昇するのが当然としながらも、リスクが見落とされていると言いたいのだ。
同氏はリスクを3つ挙げる。

  • パンデミックの深刻化:
    「コロナウィルスの問題が多くの国で深刻化している。
    日本ではロックダウンの可能性まで語られている。」
  • インフレは本当に一過性か: 特にPPIの数字が強い。
  • 金融政策: 超緩和的だが、地区連銀総裁には早期のテーパリングに傾く人もいる。

こうしたリスク要因にも関わらず、市場は企業収益や流動性に対して条件反射で強気に反応しているという。

エラリアン氏は従前どおり、特にインフレを一過性と見る見方に異議を唱えている。
持論が市場の見方とは逆であることを認識しつつ、変える様子がない。

市場が(一過性と)信じている理由は、FRBがそう言い続けてきたからだ。
だから、もしもそうでなかったら、市場には大きなリスク、大きな流動性リスクが顕在化することになろう。

エラリアン氏は同じくBloombergで、コロナウィルスの問題が早期になくなることはないと指摘した。
共存のやり方を学ばなければ、パンデミックの度に悪影響を受けることになるという。
そうした状況の中、インフレ議論で重要なのは、変異種が供給側に及ぼす影響だという。

全く新しい供給網の混乱がアジアで起こっている。
ベトナム、中国で、港湾が閉鎖されている。・・・
これが供給側に影響を及ぼし、供給問題を悪化させる。・・・
パンデミックは単に需要側の話ではなく、供給の問題がより重要だ。

経済の再開で先行する米国では、すでに経済は強く、需要側の制約が解消しつつあるのだろう。
(これが需要側のインフレ要因だ。)
一方で、ワクチン接種や経済再開で後れを取る諸外国に供給を依存している。
ここにインフレのタネが残っているとの指摘だ。


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