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やり方を変えなかったワケ:レイ・ダリオ

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、短期的なパフォーマンス悪化にもめげず、先行きへの自信をあらわにした。


私たちはコロナウィルスについて(・・・)1月から追い始めた。
ストレス・テスト済みのやり方から逸れて現状に基づいて別のやり方を採るか議論した結果、そうすべきでないと信じ、そう決めた。

ダリオ氏が19日自身のSNSで、投資家向け書簡を開示している。
コロナ・ショックの影響で「残念」な結果になっていると認めつつ、運用ファンドの年初来(16日まで)のリターンを開示した。
全ファンドでマイナスとなっている。
最低はPure Alpha (18% vol) の-21%、最高でもPure Alpha Major Markets (14% vol)の-7%だ。
もっとも同時期S&P 500指数は-26%だったから、あながち責められるものでもないのだろう。

ダリオ氏は戦略変更を行わなかった理由を3つ挙げている:

  • コロナ・ショックで勝つだけの強みを持っていない。
    ダリオ氏は日頃、強みのないイベントに対してはポジションをとるべきでないと話している。
  • コロナ・ショックの結果多くのことが起こりえ、想定しきれない。
  • コロナ・ショックが新たな「不可知」のリスクをもたらしうる。
    これらリスクについてはブリッジウォーターのリスク管理で対応可能という。

ダリオ氏は、自社のリスク管理が機能しており、過去の最悪の環境でのパフォーマンスと似た結果になっているにすぎないと説明。
その際も再び持ち直してきたと自信をのぞかせる。
ダリオ氏は目下の取り組みをいくつか明かす:

  • 今後の展開・他のウィルスに対して強みを持てるよう、ウィルス感染への知見を深める。
  • 十分な流動性を確保する。

ダリオ氏は、個人・会社が同様の最悪の環境を何度も乗り越えてきたと話す。

「私たちは、1971年の通貨体制の崩壊、1971・73年の石油ショック、1980-83年のインフレ再発・債務危機の勃発、ドットコム・バブル崩壊、WTC攻撃による政府・民間システムの停止、流動性が枯渇し信用リスクが至る所で顕在化した2008年金融危機に遭遇してきた。・・・」

大失敗し、会社が傾いたこともあったが、ダリオ氏はそこから立ち直った。
とりわけ、リーマン危機で大儲けした話は有名だ。
今回も、ダリオ氏はその時の推移を紹介し、投資家にアピールしている。

2008年がわが社にとって素晴らしい年だったこと、他社のほとんどが大金を失う中でわが社が大金を稼いだことを覚えている人なら、その年の間では大きな山谷があったことも思い出してほしい。・・・
既定の限度額にロスを限定し、流動性を維持し、何かイベントが起これば影響を計測することで、ポートフォリオを順応させ、後2010-11年にはパフォーマンスを大きく改善させることができた。

まだまだ勝負は始まったばかり。
どちらに転ぶかはわからない、といったところだろう。
ダリオ氏のコロナ・ショック前の予想は、通貨の価値が棄損するパラダイム・シフトだった。
ダリオ氏がこれを継続し、仮に当たるなら、世の中は現在のデフレ的停滞からインフレ的停滞にどこかで舵を切り返すことになる。


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