投資

ハワード・マークス もはや防御の時ではない:ハワード・マークス
2020年4月12日

オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏が、3月31日のメモから一転、強気のスタンスを明確にしている。


最も重要なのは、攻撃と防御の間の適切なバランスをとることだ。・・・
攻撃と防御の間のバランスを考える一法は、投資家が毎日直面する『双子のリスク』を考えることだ:
お金を失うリスクとチャンスを失うリスク。

マークス氏が6日付「メモ」で書いている。
投資家は投資をしないことで安心すべきではない。
損をしないかわりに得をするチャンスも失ってしまう。
チャンスを見過ごすことは、損をするのと同様に経済的損失と考えるべきなのだ。

マークス氏は、最近の状況の変化を4つ挙げる。

  • みんなが様々なリスクを認識してきた。
  • 予想利回りが上昇した。
  • 証券価格が低下した。
  • 投資家が痛み、リスクテイクが減った。

こうした変化が、今後のリスクテイクに有利に働いているとした。

新たな条件に基づき、私はもはや防御を好むべきでないと感じている。・・・
傷1つない市場と、みんながリスクテイクをあきらめた市場とは、大きく異なる。
それは、完全を前提とした値付けと、悪い結末を許容する値付けの差になる。

かつては、すべてがうまくいくという想定で価格がついていた。
今では、そう想定する人は皆無だろう。
将来は相対的に困難なものになるという想定で価格がついている。
つまり、将来の困難に対してより頑強な価格水準といえる。

マークス氏は、先行きについて楽観的になったわけではない。
逆に、市場の方が楽観を捨て、悲観に寄り添ってきたのだ。
では、投資家は今どうすべきなのか。
マークス氏は「底まで待つつもり」という考え方を不合理と切って捨てる。
いつが底なのかは後になってみなければわからず、こうした考え方は底やチャンスを見逃す可能性が高いからだ。

投資家の目的とは、たくさん良い投資を行うことであって、少しだけ完璧な投資を行うことではない。

マークス氏は、買いたい投資家は下げる過程で買うべきと書いている。
以前から「落ちるナイフをつかみたい」と繰り返してきたとおりだ。
ナイフが落ちている時は、売り手がパニックを起こしていることが多いし、買いによって相場を押し上げてしまうこともない。

煎じ詰めれば、バリュー投資家の行動基準は決まっている。

「答は簡単: 価格と本質的価値の関係において何かが割安ならば、買うべきだ。
さらに割安になれば、もっと買うべきだ。」

さらに、投資家を鼓舞するようなことまで書いている。

「ニュースが最悪、価格が崩壊している時に買うのは容易ではないし、底がどこか知るのは不可能だ。
しかし、そうすることこそ投資家の最大の熱望であるはずだ。」

マークス氏が語るのは多くはマクロ(せいぜん資産クラスまで)の話であり、そこでポジション・トークをやるのはあまりにも無謀だ。
また、同氏の日頃の人柄からいって、ポジション・トークとは考えられない。
しかし、こうして投資家の誇りをくすぐられると、思わず買い向かってしまう人もいるのかもしれない。
これは危ない。
たとえマークス氏の意見であっても、他人の話は割り引いて聞いておこう。

このメモでのマークス氏の結論はこうだ:

(a) 市場は今後数か月かなり下げるかもしれない。
(b) 良いバリューが見受けられる今日、私たちは買っている。
これら命題が矛盾するとは思わない。


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