もしも私が短期のトレーダーだったら・・・:ジェレミー・シーゲル

ウォートンの魔術師ことジェレミー・シーゲル教授が、米国株市場の見通しについて厳しい見方を示した。
めずらしくある短期トレードを推奨しており、それが教授の弱気度合いを表している。


「12月FOMCがFF金利を240 bpに引き上げた時、米10年債は3.25%で、上昇すると考えられていた。
FRBが(低下を)知っていたならどうだったか。
米10年債が240 bpまで下落したことはゲームを変えてしまった。
もしも長期金利が240 bpまで下がることを知っていたら、12月の利上げはなかったろう。」

シーゲル教授がCNBCで、12月のFOMCでの利上げが失策だったと指摘した。
12月の利上げが現状のイールド・カーブのフラット化をもたらしたとし、FF金利を2%程度まで引き下げるべきと話した。

米市場の心理は大きく変わった。
かつては金利が下がったり、FRBがハト派スタンスを示せば必ず押し目買いが入っていた。
しかし、最近ではそれも限定的になった。
それどころか、長期金利の低下が弱気材料とされることさえある。

シーゲル教授は長期金利が240 bpで底を打てば株にはプラスと冷静だ。
しかし、問題は分母の金利ではなく分子の企業収益だ。
まず、経済成長が前年比で大きく鈍化している。


「今四半期の経済成長を見ると約1%か1.2%ぐらいか。
これは昨年の1/3にすぎない。
第2・第3四半期に本当に上昇するのか?
2.0-2.5%になるのか?」

経済成長が鈍化する以上、企業収益にもブレーキがかからざるをえない。
シーゲル教授は2019-20年の企業収益について市場予想の達成は難しいと見ている。
企業収益に大きな改善が見込めないとすれば、米国株の米短期債に対する相対的な魅力は大きく下がることになる。

投資家の中には240 bpならキャッシュ(短期債)がいいと考える人がいる。
リスクがなく、S&P 500の配当利回りよりいいからだ。
こうした世界では、キャッシュも悪くない。

シーゲル教授はFRBが180-190 bpまで利下げすれば、イールド・カーブがやや立ち上がり、株価の相対的な魅力も少し戻るはずと言う。

シーゲル教授は、米国株市場がまだ上昇基調を維持しており、年内に5%程度上昇すると考えている。
プラスの材料は米中通商交渉で合意がなされることだ。
この好材料は80-90%織り込み済みと言うが、合意の時点で残りが効いて小幅な急騰が期待できるという。

もしも私が短期のトレーダーだったら、通商合意による急騰で売っているだろう。
急騰があると予想している。
間違いかもしれない。
私は長い間、長期投資を奨めてきたが、みんな短期に興味があるからね。


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