グッゲンハイム
 

みんな記憶喪失になったよう:グッゲンハイム

Guggenheim Partnersのスコット・マイナード氏が、FRB人事についてホワイトハウスから打診を受けたことを明かした。
話は流れ、その原因を暗示するように、同氏は辛口のコメントを述べている。


「話はあったよ。」

マイナード氏がCNBCで、FRB理事候補として打診を受けたことを認めた。
グッゲンハイム経営への意欲もあり、大統領からの指名を受けるには至らなかったという。
フィクスト・インカム市場における重鎮であり、先の債券王ビル・グロス氏からも高い評価を受けていたマイナード氏だけに、違和感はない。
FRB理事候補といえば、弊サイトでおなじみのモハメド・エラリアン氏も早い時期に候補に挙がっていた。
マイナード氏にしてもエラリアン氏にしても、媚びないタイプのエコノミストは公職に呼ばれにくいのだろうか。
あるいは、金融市場の大物は、大統領との格が逆転してしまうのも問題なのかもしれない。
ちなみにマイナード氏本人は「私は十分にハト派じゃない」と分析している。

そのマイナード氏が、パウエル議長の政策運営について尋ねられ、辛口のコメントをしている。

「FRBは一旦停止し慎重にやる点で正しいことをしていると思う。
私なら、利下げ局面を確定するような本気の変更はなるべく遅らせていただろう。
景気拡大を維持するための保険であれば、おそらく1回の利下げが適切だ。
しかし、(議長の)レトリックはそれより強いものだ。」

パウエル議長が路線をあまりにもハト派に展開したことに、マイナード氏は異見を唱えたのだ。
米国に限らず、金融政策にタカ派の意見を述べる人には、中央銀行があまりにも金融の安定をないがしろにしているとの不満がある。
消費者物価が上昇しないため、金融緩和をどこまでも吹かしてしまう。
結果、消費者物価のインフレは起こらなくても、資産インフレは進む。
ファンダメンタルズで正当化できないバブルになれば、いつかは弾ける。
米国はこれを今世紀2回繰り返している。


パウエル議長はこうした危機感を備えた人物として、金融界から期待された。
実際、学者出身の前任者たちと比べ、スタンスはタカ派寄りだったろう。
ところが、この君子も豹変した。
しかも、ロジックに連続性もなく豹変したのだ。

パウエル議長のコメントは基本的に、利下げが1回で終わらず、経済を動かし続けるのがすべて、というものだった。
面白いのは、みんな記憶喪失になったようだが、この人は12月に(バランスシート縮小は)自動操縦で金利は上昇すると言っていた人と同じ人なんだ。
だから、今年中か来年初めにも議長が再び方向転換する可能性もあるのではないか。

ロジックに一貫性のない当局の次の一手を読むのは難しい。
つまり、投資の判断も難しくなる。

マイナード氏は次のようなツイートもしている。

短期的には利下げは金融資産の価格を上昇させ、イールド・カーブをスティープ化するだろう。
FRBが利下げを続ければ、S&Pはピークまで3,500に達するかもしれない。

グッゲンハイムが予想する10ステップのうちの第2段階、最後のひと上げを予想しているのだ。
つかの間の緩和的金融環境が株を押し上げ、さらに経済のレバレッジを拡大させる。
しかし、いつかはインフレや金利の動向に再び変化が訪れるだろう。
これが10ステップの第4段階になる。

私の見通しのリスクは、突如としてFRBが考えていたほど経済が弱くないと考え、市場が期待するほどには利下げを行わないことだ。

マイナード氏は先月のレポートで、米景気後退入りを「早ければ2020年前半」と予想していた。
景気後退にともない下げる資産クラスも想定されるため、今後の投資家のテーマは「資産保全」になると書いていた。


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