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ハワード・マークス みんな投資を迫られている:ハワード・マークス

オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏が、何が起こっても上昇を止める気配のないリスク資産の市場について背景を語っている。


「そもそも市場というのは短期的には合理性から乖離してしまうことがあるものなんだ。」

Bloombergから、国会議事堂が暴徒に襲撃される中でも上がり続ける市場の合理性について尋ねられ、マークス氏が答えた。
マークス氏は、短期的には市場は不合理な動きを起こしうると答えている。
しかし、同時に、本当の問いはたった1日の変動に注目したものではないはずとも答えている。

もっと大きな疑問は、国の悲惨な政治的分断や最悪の問題であるパンデミックなどの問題がある中、どうして毎日市場が最高値をつけるのかだ。

FRBと財務省の施策、特にFF金利をゼロに引き下げたことが市場に強い効果を及ぼしたんだと思う。
みんな投資することを強いられているんだ。

投資を強いるのは、金融緩和政策の本質でもある。
金融緩和とは、マネーの保有者を虐げ債務者を優遇することで、マネーを消費や投資に向かわせるものだ。
投資には事業投資と金融投資がある。
日本の場合、金融緩和で金融投資を促すとの意図は大きくないかもしれないが、米国の場合は少々異なる。
家計による消費が重視される米経済では、金融投資が活発化することで得られるかもしれない資産効果もまた金融緩和の目的の1つだ。
つまり、米リスク資産が上がるのは、金融政策の必然ともいえるのだ。
その金融緩和が今、長く長く続くように感じられている。

マークス氏は人々の思いを代弁する。

現金、MMF、銀行預金などみんなゼロ金利で、置いておきたくない。
利回り1%未満の米国債、2%の投資適格債もダメだ。
結果、株式、低格付け債券、未公開株、VCなどリスク資産に向かわざるをえないんだ。

これは米市場についての話だ。
これと似たことが日本では起こりにくい。
理由は、日本のディスインフレだ。
ディスインフレならば、現金で持っていても大して傷つかない。
下手に高値でリスク資産に手を出すよりマシとの考えももっともだ。

逆にいえば、仮にディスインフレからインフレに転換する刹那、見える景色は大きく違ってくるのだろう。
米国についてはそう遠くない時期にそれが起こりそうだ。


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