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みんなが理解していないコト:デニス・ガートマン
2020年12月29日

デニス・ガートマン氏が、インフレと金利についてのお気に入りの昔話を語っている。
明日役に立つかどうかを別として、バランス感覚のある常識に溢れた小話だ。


約40年続いてきたインフレの勢いをボルカーFRB議長が破壊できるとは、間違いなく誰も信じていなかった。・・・
人々がそれをインフレの終わりだと信じるには、数年間の金融引き締めと幅広いコモディティ価格の暴落が必要だった。

ガートマン氏がThe Market Huddleのインタビューで、ボルカー・ショックに対する当時の市場の受け取り方を回想した。
このテーマはガートマン氏の十八番だ。
カーター大統領(当時)からインフレ退治を託されたボルカーFRB議長(当時)は、FF金利を20%に引き上げるなど荒療治ともいえる金融引き締めでインフレをねじ伏せた。
現在では金融引き締め自体が評判の悪い政策とされているが、当時は今とは反対にインフレが社会問題だった。

インフレ退治の過程の債券市場をガートマン氏は回想する。

「長期債のクーポンは14.25%だった。
クーポン14.25%の30年もの米国債が売れなかった。
誰も買わなかった。
ディスカウントでしか売れなかった。」

実効FF金利(青)、米30年債利回り(赤)、米CPI上昇率(緑)
実効FF金利(青)、米30年債利回り(赤)、米CPI上昇率(緑)

今からでは考えられないような債券市場だった。
これがインフレ上昇から低下、金利上昇から低下に反転する時代に起こったことだ。
実際に反転が起こるまで、市場参加者の期待はなかなか変わらなかった。

「インフレ期待がなくなるのには長い時間がかかる。
今も単にディスインフレまたはデフレ期待がなくなるのに長い時間を要しているだけだ。」

ガートマン氏は、時間をかけて「ゲームが変わった」のだという。
永遠に続くと考えていた状況から、予想もしていなかった状況へ変化した。
経済や市場が「スウィング」すると信じるガートマン氏は、それが今後起こりうると考えている。

みんな理解していないだろう。
毎月の証券会社のステートメントを見て、債券ポートフォリオについては堅実だと考えていたのに、実際には10%(時価が)下がった時、ショックを受けることを。
それが今後3、4、5、6年のうちに大きなサプライズになるだろう。

金利上昇となれば、債券だけでなく広くリスク資産に負のショックが及ぶことはいうまでもない。


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