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グッゲンハイム スコット・マイナード まだ買いではない:スコット・マイナード

グッゲンハイム・パートナーズのスコット・マイナード氏が、やや弱気スタンスを強めている。


私たちは、金融システム全体が政策立案者によって過度な水準の財務・レバレッジを取るようしむけられた中でこの危機に突入した。
現在の混乱はこのレバレッジの巻き戻しだ。

マイナード氏が22日自社ブログで、コロナ・ショックにともなう市場急落の本質を指摘している。
ウィルスは引き金にすぎないという考え方であり、弱気派に共通する見方だ。

マイナード氏のスタンスは19日と比べても弱気になっている。
19日には、フィクスト・インカム市場の一部で「降伏」が見られ、該当市場がバリュー・ゾーンに入ったと言っていた。
しかし、この日のトーンは少し後退している。

「投資適格・ハイイールドの債券ですでにスプレッドが大きく拡大しているにもかかわらず、クレジット市場で降伏がまだ見られない。」

マイナード氏は、多くの投資家が異常なほど「ポジションにしがみつき祈り」続けているという。
すでに企業クレジットの米国債に対するスプレッドは、過去2%の領域に入っており、歴史的に見れば魅力的な価格に見えるという。
しかし、「バリューはマーケット・タイミングには役立たない」、「安くてももっと安くなりうる」と指摘し、まだ買いのタイミングではないと示唆している。
また、政策期待で買いを入れるのも尚早だという。
リーマン危機後のTARPでは、議会が議決してから市場が底を打つまで6か月あったためだ。

マイナード氏は、リスク・シナリオにも言及する。

「政策立案者がこの危機に適切かつ迅速に対処できなければ、世界不況に直面する確率が10-20%あるだろう。・・・
私は世界不況を見込んではいないが、良く見ても戦後初めてかなり近づいている。」

今回の危機は、大ベテランにとっても予想が難しいものだったようだ。
経済・市場と全く関係のないところに重要な原因があり、予想を難しくしている。
そのため、マイナード氏はリーマン危機なみの悲惨さもリスク・シナリオとして想定せざるをえないという。

暗いシナリオは、逆に投資にとってチャンスも生み出す。
「生来の楽観主義者」を名乗るマイナード氏は、リーマン危機後に抱いたのと同じように、社債ほかのフィクスト・インカムが株式より高いリターンを上げるとの希望的観測を抱いているという。

マイナード氏の予想で常に感心するのは、しばしばホライズンを明記すること。
今回は、経済・市場がこの状況から立ち直るまで3-4年かかると予想している。
ただし、その全期間について景気後退をともなうのではなく、景気後退は6-18か月と予想されている。
3-4年というのは、強い悪影響を受けた産業(航空、宿泊、小売り、エネルギー等)が元通りになるまでの期間だ。

その間、多くの債務が巻き戻され、またはリストラされる。
そのためFRBは、流動性の蛇口を長い間開け続けなければならない。

マイナード氏は、約4.5兆ドルのQEが必要となり、結果FRBのバランスシートが9兆ドルまで拡大すると予想する。
これは昨年の名目GDPの40%に上るが、それでも日銀の105%に比べれば「シブチン」だという。
今や日本は金融政策のお手本になったのだ。
それでも、日本経済のようになりたいという国が現れないのは不可思議だ。

マイナード氏は23日マーケット・タイミングについてツイートしている。
市場が下落するにつれ買いに転じる投資家が増えつつあることへのアンチテーゼだ。

底値買いはいまだに世界一高くつくスポーツだ。

まだ底値でないことがどうしたらわかるかって?
CNBCの話し手が買っていればそうだ。


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