投資

ほとんどの投資家が選ぶべき手法:ジム・ロジャーズ
2020年10月28日

ジム・ロジャーズ氏が、投資家が肝に銘ずるべき心得を語り、そこから導かれる投資法を挙げている。


私自身の投資内容はお話するが、投資をしたいなら、私や他の誰の言うことも聞いてはいけない。
投資家として成功したいなら、その投資家がよく知っているものに投資しなければいけない。

ロジャーズ氏が豪The Australian Financial Reviewのインタビューで、従前から言い続けてきた投資プロセスの基本を繰り返した。

さすがにロジャーズ氏も一切他人の意見を聞くべきでないというのではないだろう。
きっかけとして、情報として、他の人の意見に触れることはあってもいいだろう。
しかし、実際の投資に至るまでに、その対象について自ら学び、熟知していなければいけない。
しかも、よい結果を出したいなら、凡庸な知識でなく、その分野のエキスパートを目指すべきだ。

みんな有望銘柄を聞いてすぐに金持ちになろうとする。
みんなが投資について学んでいるのは喜ばしいことだし、そうあるべきだ。
しかし、健全な投資法を学ぶべきであって、有害なことを学んではいけない。

ロジャーズ氏は、コロナ・ショックのさなかに多くの新たな個人投資家が誕生したことを素直に歓迎している。
スマホで少額の株式を売買する新タイプの投資家も少なくない。
そうした投資家の中には腰を据えて投資対象を勉強する人はむしろ少ないのかもしれない。
それどころか、彼らが影響力の大きな誰かの意見を鵜呑みにするようなら、それが意外なうねりを生み出しかねない。
ロジャーズ氏は、市場に新たな投資家が多く入ってくる時、しばしばそれがバブルの兆候になると話した。

誰にでも新米の時代はある。
すべての人が最初からベテランなみのプロセスを踏めるはずもない。
ならば、どうすれば良いのか。

ロジャーズ氏は、自分が生きてきた道と真逆のことを奨めている。

これはアクティブ運用者や私たちすべてにとって悲しいコメントになるが、通常パッシブがほとんどの人をアウトパフォームするというのが現実だ。
そして、パッシブは(手数料が)安い。
ものぐさの投資法だが、それが通常アウトパフォームする。
だから、私は反対しない。

この話はアマチュア、新米だけにとどまらない。
オーストラリアの年金基金の運用スタイルについて意見を求められると、ロジャーズ氏は淡々と答えた。

それはオーストラリア人が決めることだが、私に尋ねるなら、ほとんどの投資家はただインデックスに投資すべきと思う。

ロバート・シラー教授は以前、パッシブ運用をただ乗りの擬似科学と批判した。
パッシブ運用がうまくいくのは、アクティブ運用の努力のおかげであって、アクティブ運用なくしてパッシブ運用はありえないことを指したものだ。
健全な市場の形成という観点からいえば、教授の意見は正しい。

一方、投資家の便益という観点からいえば、パッシブ運用の恩恵は大きい。
この観点から、ウォーレン・バフェット氏は、インデックス・ファンドの創始者ジャック・ボーグル氏を「ヒーロー」と呼んだ。
ボーグル氏が亡くなった時、シラー教授でさえ、意見は違うがボーグル氏を尊敬していると述べている。
これらの敬意は、ボーグル氏の生んだインデックス投資、パッシブ投資が一般の投資家に競争力のある投資機会を与えたことに対するものだ。

ただし、これにも私たちがあまり意識していない前提がある。
市場が長い目で見て上昇するのではないかとの前提だ。
ジェレミー・シーゲル教授は最近、インデックス投資はマーケット・タイミングの性格が強いと指摘した。
つまり、パッシブ投資で超過リターンは期待できないし、パッシブ投資は下げ相場で輝きを失うものだ。


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