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なぜFRBは市場を救い続けるのか:モハメド・エラリアン

アリアンツ首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏が、FRBが市場支援策を続け、強化を検討する根拠について検証している。


モラル・ハザードに賭ける人の気持ちは理解する。
FRBの下支えに賭ける人の気持ちも理解する。
私はやらない。
それが良い投資の方法とは思わない。

エラリアン氏がCNBCで、中央銀行の市場支援策を当て込んで強気の投資を続けるスタンスに疑問を呈した。
同氏のいう「モラル・ハザード」とは、発行体の信用状態が悪化しても、中央銀行が救済策を打ってくれると見込むことを指している。
エラリアン氏は、あくまでファンダメンタルズにしたがった投資を行いたいと話している。

中央銀行の足元を見る賭けは過去長い間非常にうまく機能してきた。
1987年にFRB議長に就任したアラン・グリーンスパン氏は、市場がくしゃみをする毎に金融緩和で応じ、ついには《グリーンスパン・プット》という言葉まで生まれるほどだった。
その後もこの政策スタイルはバーナンキ・プット、イエレン・プットと受け継がれた。
現パウエル議長はこれを断ち切るとの見通しもあったが、結局は踏襲され、今ではFedプット(日本ではFRBプット)という呼び方が定着しつつある。
FRBプットは資産効果の効きやすい米国では一定の理屈があるとされるが、反面これが度々のバブルの主因であるとの批判もされている。
コロナ・ショック前、株価が前回バブルを超え、失業率も歴史的低水準まで下がったのに、それでも趨勢的停滞論が主張されていた。
この手法による経済刺激が、同時に歪みを生みやすいことを暗示している。

FRBはそれをやめるべき時ではないか?
システムそのものを損なうだけでなく機関の信頼性をも傷つけてしまう。
その信頼性は、今と将来の世代の幸福にとって重大なものだ。

ただし、FRBプットはそう簡単にやめられるものではない。
簡単にやめれば、市場は期待を裏切られ、混乱を逃れえないだろう。
一方、いつまでも続ければ、FRBの信認が揺らぐかもしれない。
仮にそうなれば、米ドルの信認が揺らぎ、経常赤字の米経済は困難な状況に置かれかねない。

エラリアン氏は、FRBが緩和縮小・緩和強化・現状維持のいずれを選択しようと、道のりは険しくなると指摘。
中央銀行の「ルーズ・ルーズ・ルーズの状態」が強まっていると表現した。

エラリアン氏は、市場のおねだりにFRBが応える妥当性に疑問を投げかける。

市場は正常に機能している。
バリュエーションはとても高い。
市場アクセスは企業にとって問題となっていない。
それなのに市場はもっともっとねだってくる。


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