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どんなにNVIDIAがすごくても・・・:ビル・グロス
2024年1月13日

ビル・グロス氏が金融ベースの経済・市場の危うさを注意喚起しつつ、投資家として採るべき道を示唆している。


「歓声と拍手は、株価が千年以上の長期(そして短期)でほぼ常に上昇し、過去20年は8.2%ペースで上昇したことへの自信を反映している。」

グロス氏が自身のサイトで、足元の市場の楽観を危うんでいる。
同氏は、この楽観の背景に投資家のアプローチの変化があると示唆している。

「時代は変わり、最近の投資家は『お金がお金』を生むという話を信じているようだ。」

グロス氏は、ベンジャミン・グレアムの時代、お金はもっぱら実物資産を買うために使われていたと解説する。
それが今や、ほとんどが金融資産を買うために使われている。
同氏は「現代の経済は良くも悪くも金融ベースの経済だ」と指摘する。
この変化にともない、投資のアプローチもファンダメンタルズより金融環境・政策に重きをおくようになったという。
グロス氏は今のありように危機感を隠さない。

「今日の『金融ベース』の世界経済は間違った方向に進んでいる。・・・
もしも金利を名目GDP成長率より低くできず、財政赤字がコントロールできないなら、ただただ悪化していくだろう。」

拡張的な財政・金融政策がついに伸びきって、金利も低下あるいは低位に維持できなければ、そもそもその政策自体が持続不可能になる。
そうなれば、これまで享受してきたリターンのうち、金融ベースに起因する部分が剥落することになる。
本当にファンダメンタルズより金融の効果が大きかったのなら、この剥落はかなり大きなものになるかもしれない。

ここまで読むと、昔はよかったというような老人の感慨に受け取れるかもしれない。
しかし、このアグレッシブな老人の主張はそこにとどまらない。
投資家にダンスを踊り続けるよう促している。
「部分的に時代に適応しなければいけない」というのだ。
投資環境は危ういとしつつも「防空壕に隠れる」のではなく、つまり投資をやめてしまうのではなく、「保守的な選択肢」等に投資先を厳選しろという。

グロス氏は通例どおり自身の主たる投資先を公表している。

  • 石油・天然ガスのパイプライン: 利回り8-9%(アメリカ人に有利なパートナーシップ)。
  • 銀行: PBR 0.7-0.8を数行(CFG、TFC)。
  • モーゲージREIT: 少額。金利上昇時に危うい。
  • 裁定: 数銘柄(CPRI)。

齢を重ねた債券王はこの数年で自身が金融ベース経済にいくらか適応してきたと話す一方、自身が慎重であるとも述べている。

どんなにNVIDIAがすごそうに見えても、あなたも慎重であるべきだ。
そして、債券に強気になってはいけない。
1.5兆ドルの財政赤字を考えれば、利回り4%の10年債は投資家が見る限りバーゲンではない。


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