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とても魅力的な環境だ:スタンリー・ドラッケンミラー

スタンリー・ドラッケンミラー氏が、過去数週間の自分の読み違いについて明かし、今米国株市場で起こっていることを解説した。


私はキャリアの中で何度も打ちのめされてきたし、これからも何度もあるだろう。
過去3週間はそれに入るものだった。

ドラッケンミラー氏がCNBCで、5月半ば以来の読み違いについて敗戦の弁を述べた。
市場が40%上昇する中、同氏のポートフォリオは3%上昇と大きく出遅れたのだ。
伝説の投資家に何が起きたのか。

ドラッケンミラー氏はコロナ・ショックが襲う前の年初、リスク・オンのスタンスを表明していた。
金融政策、選挙の見通しなどを理由に「まだ『馬に乗り』、中期的に強気」と話していた。
ところが、コロナ・ショック後は一転弱気に転じる。
市場が3月から回復し、5月になっても、V字回復は幻想で、FRBが助けてくれるという考えは正しくないと話している。

金融緩和のために企業セクターで過大な債務が積み上がることを、私は長年心配してきた。
コロナ・ショックが起こった時、私が考えたのは、信用バブルがついに弾ける良いチャンスで、レバレッジの巻き戻しに数年かかるだろうということだった。

レバレッジの巻き戻しが長い時間かけて起こるという読みは外れてしまった。
FRBは前例のない市場救済策に乗り出し、むしろレバレッジを高めるような状況になっている。

ドラッケンミラー氏は今でも長期的には巻き戻しが起こると信じている。
その一方で、この数週間のトレードについては率直に失敗を認めている。
1つはFRBが「多くの禁じ手に深く踏み込ん」だことだったが、もう1つドラッケンミラー氏に敗北を認めさせたのが、市場の幅だった。
「breadth thrust」(全銘柄数に占める上昇銘柄数の割合、市場のモメンタムの指標)が、再始動への期待、FRBへの期待、ワクチンのニュースなどで改善したのである。

「市場でもっと重要なのは、コロナの勝ち組からコロナのリーダーへの極めて大きな市場の幅の拡大だろう。
極めて少数の極めて時価総額の大きな企業がコロナウィルスで恩恵を受け、数百の会社がコロナウィルスで被害を受けた。
だから最初の35%の回復はグロース株主導で、過去数週間はバリュー株主導だった。」

非常に少数の時価総額の大きな銘柄による上昇では眉に唾をつけてかからないといけないが、上昇の幅が広がったことで市場のモメンタムの改善が確認されたということだろう。
ドラッケンミラー氏は、AmazonやMicrosoftの資産に占める割合はまだ大きいとしたものの、この6-7年でグロースの割合が最も下がっているとも明かした。
市場の牽引役の交代を予想しているようだ。

ドラッケンミラー氏は、足元の市場環境がワクチンや政策の効果によって大きく振られる展開を予想している。
しかも、ヘッジファンド運用者らしく、それを喜んでいるようだ。

医療面がどう推移するのかはとてもバイナリーな状況だ。
しかし、とても魅力的な環境だ。


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