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とても長くマイナスの実質金利に囚われる:カイル・バス
2021年12月10日

ヘイマン・キャピタルのカイル・バス氏が、金融政策・米金利の先行きを見通し、それに即した投資戦略をアドバイスしている。


私は心からのマネタリストだ。
お金が溢れており、押し目を追っている。

バス氏がCNBCで、上値を試し続ける米国株市場について解説した。
様々なリスク・不確実性がありながらも相場が大きく崩れることがない。
マネタリストを自認するバス氏からすれば理屈は簡単だ。
ドルが増えたから、その他のモノのドルに対する相対的価値が上昇したのだ。

20年と30年ですでに逆転している。

バス氏は最近目立つイールドカーブの変化について指摘した。

フラット化や長短逆転は決して明るい兆しではない。
長期側の水準が低くかつ右肩下がりなのは、遠い将来の低金利・金利低下を印象付ける。
低金利は米国でも慢性化したのだろうか。

「バーナンキによる有名なヘリコプターマネーについての講演を読み返すと、何としてもゼロ金利制約を回避しなければいけない、もしそうなってしまったらなるべく早く脱出しなければいけないと言っている。
あきらかに米国はいずれのアドバイスにも従ってこなかった。」

あまりにも長くゼロ金利を続けてしまった。
バス氏は、それが経済・市場に長期的影響を及ぼしたと匂わせている。
そして、今後の米金利について見通しを述べる。

FRBは50-75 bp利上げできるだろうし、イールドカーブはフラット化、もしかしたら長短逆転するかもしれない。
つまり、とても長い間、私たちはマイナスの実質金利に囚われることになる。
これはとても寛容なFRBの当然の帰結だ。

バス氏は理論をとても粗削りな形で用い、劇的なシナリオで投資を行うことが多い。
大昔に日本国債をショートした時もそうだった。
日銀が国債を買っている中で、同氏が予想したようには日本国債は大幅下落することはなかった。
しかし、代わりに円は急落し、バス氏は大きな利益を手にすることとなった。
一方、中国もショートを手掛けていたが、こちらは思うような利益が上がったとは聞かれない。

今回、バス氏は米国債の大幅下落を予想していない。
名目金利の上昇はむしろ数%にとどまるとのシナリオだ。
名目金利が上がらないと見ることから、バス氏は投資家に次のように奨めている。

スタグフレーションやインフレーションの時期を見ると、株式は『マイナス実質金利効果』に80%ほど追随する。
みんなもっとハード・アセット、ハードな生産資産に集中すべきだ。
おそらく、買うのに少しレバレッジをかけるとよい。

「寛容なFRB」が高めのインフレを許容する可能性が高いと見て、インフレに強い資産を奨めている。
かつ、低金利の恩恵を受けるために借金をしろと言っているのだ。
これは決して劇的なシナリオではなく、多くの識者が言っていることでもある。
一見、バス氏らしくない。
しかし、同氏はすぐに、その先にあるシナリオを言い添えている。

私が低めの2桁インフレ、ゼロ利回り、つまり(10%+マイナスの実質利回り)から身を守るとすれば・・・みんなそんなことまだ考えていないだろう。・・・
私たちの資産の購買力は過去2年で大きく減価したし、今後も悪化の一途だ。


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