投資

とある投資委員会の風景、会議は踊る:モハメド・エラリアン
2022年5月3日

アリアンツ経済顧問モハメド・エラリアン氏が、高インフレの難しい投資環境における株式・現金・暗号資産への投資についてコメントしている。


「まずは、株が割高だ、エクスポージャーを減らすべきだ、という話から始まる。
すると、何に投資すべきか、という話になる。・・・
現金? いやいや、インフレが8.5%だから現金はダメ。・・・
債券? ダメダメ・・・低利回りの上、キャピタル・ロスもありうる。」

エラリアン氏がMoneyWeekで、自身が委員を務めるある米非営利組織の投資委員会での風景を紹介した。
株式を減らそうと始まった議論の結論は、株式を増やすことだったという。
エラリアン氏は、株式が「最もきれいな汚いシャツ」だとコメントしている。

投資委員会の結論はともかく、エラリアン氏個人の結論は少し違うようだ。
同氏は数か月前から、リスクテイクを軽減するよう話してきた。
高インフレの中での現金保有は購買力を失うことになるが、それでも価格下落のある投資対象よりはましで、短期的な退避場所としては悪くないと考えているのだ。

エラリアン氏は、金や暗号資産について尋ねられると、一定のインフレ・ヘッジの効果を認めつつ、暗号資産について問題点を挙げた。
それは、同氏がかつてCEOを務めたPIMCOにおける投資案件のチェック・ポイントの1つだ。
自社が保有した後、誰がそれを買ってくれるのか?
高く買ってくれるのか、売りたい時に買ってくれるのか?
つまり、Exitが可能で、利益を上げうることを確認すべきということだ。

実はエラリアン氏はビットコインを買ったことがある。
まだ1ビットコインが400ドルの時代だ。
現在の高値圏を享受することなく、ほどほどの、それでも大きな儲けのところで売却したという。
暗号資産には慎重だが、決して可能性ゼロとしているわけではない。

そのエラリアン氏が、暗号資産を冷静に分析する。
現在の暗号資産市場は、世界中で続いてきた金融緩和によって支えられてきたという。
損益に鈍感な各国中央銀行が流動性を金融市場に供給し続けた。
その流動性が回りまわって暗号資産を押し上げたという。
だから、その巻き戻しが始まった今、暗号資産市場が敏感に反応するのは当然なのだ。

エラリアン氏の暗号資産への支持は「限定的」だ。
同氏は、仮に投資家が暗号資産に投資するにしても、ポートフォリオに占める割合は高々5%にとどめるべきという。

もしも暗号資産が世界の通貨になると思うなら、暗号資産を買ってはいけない。・・・
暗号資産は決済システムの生態系の中で存在し続けるだろうが、世界の通貨にはならない。


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