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グッゲンハイム スコット・マイナード さらにバブルがやってくる:スコット・マイナード
2020年5月28日

グッゲンハイム・パートナーズのスコット・マイナード氏が、現状の株式市場と実体経済の乖離の原因を指摘し、そこから予想される将来を指し示している。


株価と実体経済の乖離の説明には2つの可能性がある。
1つ目は、多くの人が予想するよりはるかに速く経済がリバウンドするというものだ。
これはかなりありそうにない。
(昨年)第4四半期の水準まで経済活動が戻るまで少なくとも4年かかる可能性があるからだ。

マイナード氏が27日ツイートした。

本当に経済回復に4年かかるかどうかは議論があろうが、現状経済がV字回復すると予想している人はかなり少数派だろう。
多くの人がウィルス第2波のリスクを認識しているし、危険が去った後でも人々の経済活動のあり方に変化が起きると感じている。
V字はかなり望みうすで、U字やL字のような感じになると考えているのだろう。
その意味で、マイナード氏の「ありそうにない」との判断は当たっているのではないか。

もっと可能性がありそうな説明は、株式の上昇がマーシャルのkで説明されるとするものだ。
流動性が通常の経済成長(に必要な量)を超え、流れ出て資産バブルになる。
インターネット・バブル、住宅バブル、企業債務バブルのように。

「マーシャルのk」とは、貨幣数量説におけるケンブリッジ方程式から
 k = 貨幣量/(物価x実質GDP)
と表される概念であり、定数または安定的な変数とされている。
(だからこそこの方程式に意味がある。)
ところが、文字通りにこの式を扱うと、kは安定しない。

現在、FRBをはじめ各国中央銀行はコロナ対策のため相当なペースで「貨幣量」を増やしている。
コロナ・ショックによるデフレ的環境により「物価」や「実質GDP」は低下傾向だ。
ならばマーシャルのkも相当なペースで増加してしまうことになる。
そこで、リチャード・ヴェルナー教授の指摘を思い出そう。
増えた貨幣はGDPに算入される取引には向かわず、投機に向かうのだ。
(その分を上記の式は差し引いた上で成立することになる。)

こうした考えに同意するから、マイナード氏は市場の過熱を心配するのだ。

思えば、コロナ・ショックが起こる前、市場の上昇を支えたナラティブは何だったか。
その1つは、1990年代後半のような緩和的金融環境が2000年のような株価上昇を生み出す可能性を連想させたことではなかったか。

その後コロナ・ショックが起こり、実体経済を揺るがす現実の危機となった。
それと同時に、戦後類を見ない規模の金融・財政政策が講じられている。
世界の政府・中央銀行は、コロナ・ショックの収束と同時に金融・財政を引き締めるだろうか。
ベテランならみんなその答を知っている。

マイナード氏の結論はこうだ。

さらにバブルがやってくる。


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