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さあ日本が活躍する時が来た!?:NFT
2021年9月4日

半月ほど前、少々理解に苦しむ記事を目にした。
世界屈指のクレジットカード・ブランドVISAが「モヒカン刈り女性キャラのNFT画像1点を購入」したというものだ。


理解に苦しんだのは、VISAが大金を払って購入したということの他に、あまり画像に魅力が感じられなかったためだ。


この画像はイーサリアムのウォレットを保有する人に無料配布された1万個のアバターのうちの1つだという。
そこで、あまり魅力が感じられなかった理由が理解できた。
これらアバターはアルゴリズムで生成されたものなのだという。
VISAは8月18日にこのCryptoPunk 7610購入のために49.5イーサ(約150千ドル、約16百万円相当)を支払ったのだという。

正直なところ、筆者のような先を見る目のない凡人には、自動的に1万も作られ無料配布されたアバターの1つにこれほどの価値があるとは思えない。VISAはウェブサイトで購入の理由を述べている:

  • NFT分野のノウハウを得たかった
  • NFT関連のコミュニティに貢献したかった
  • 興奮とチャンスを象徴するNFTを収集したかった

一見説明になっているようで、しかし、買った理由、このNFTを買った理由にはなっていないところが微笑ましい。
VISAとしてNFTに関与したいのは事実だろうから、目立ちたかったというのが真相だろう。
広告宣伝費と考えればよいのかもしれない。

むしろ、問題は、この価格の反対側にあるものだ。
VISAが150千ドルで買ったということは、それに近い相場が付いていたということに他ならない。
ここにカネ余りを指摘しないわけにはいかない。
カネ余りが高じると収集品を含め資産価格が高騰するのは世の常だ。

しかし、それにも限界が訪れているのかもしれない。
WSJは3日、SPAC経由で上場した企業の価値が約750億ドル減少したとして「SPACバブル崩壊」と報じている。
Bloombergも同日、ミーム株などでの投機熱が冷めつつあり、一部個人投資家がNFTに移動していると報じている。
ペンギンやサルのNFT画像が人気で、ある取引業者の8月の取扱高は30億ドル(約3300億円)に達したのだという。

記事で紹介されているペンギンの画像のシリーズは「Padgy Penguin」。
日本のゆるキャラ風の画像だが、この分野なら日本人の作家さんでも十分互角に戦えるのではないか。
日本でも企業がNFT活用の場を模索する動きがあるが、日本の持つソフト資産に対して出遅れているように感じられ残念だ。
世界の顧客に納得づくで販売し、経常黒字を増やすような成功を望みたい。

ただし、投資家の側に回るのは熟考してからの方がよさそうだ。
Bloomberg記事が書いている。

NFTを購入した場合、基本的には本物であることを示す証明書を保有することになるが、デジタルで複製が可能な画像そのものの権利を有することには必ずしもならない。
未検証の投機的な市場であり、買い手が投じた資金を全て失うこともあり得る。


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