ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、11日の米国株市場の急落について、早いペースの上昇における「正常な利食い」と解説している。
市場は少し行き過ぎていた。
でも、まだトレンドは上向きだ。
とても大きな上昇の後の正常な利食いだ。
シーゲル教授がCNBCで11日の米市場の急落についてコメントした。
同日のS&P 500指数は前日比5.89%安い3,002.10で引けた。
コロナ・ショックからの経済再開を急いだ州でウィルス感染が再加速し、第2波の懸念が弱気を誘ったとの報道もあった。
おそらく下げの本当の理由は1つではなかろう。
先週金曜日の米雇用統計でポジティブなサプライズがあった時、シーゲル教授は「解釈が難しい」と見解を保留していた。
教授は、雇用統計に対する市場の反応が行き過ぎていたと振り返る。
むしろ、株価上昇にはもっと大きな要因が存在すると示唆する。
FRBが供給する流動性、パウエル議長が『今は利上げを考えてもいない』と言い続けていることは、まだ市場を押し上げる要因になる。・・・
あまりにも多くの流動性が供給されており、一たび経済が動き始めれば、来年動き始めれば、経済を押し上げ、株価を押し上げるだろう。
ゼロ金利と有り余る流動性が株を押し上げるとの変わらない主張だ。
シーゲル教授は以前から、短期金利が長い期間低位におかれる一方、長期金利は上昇すると予想してきた。
実際、FRBは相当に長い間利上げをしないとシグナルを送り続けている。
一方、教授はFRBが長期金利をコントロールすることはないと想定している。
シーゲル教授は銀行株について(足元は苦しいものの)先々は有利な状況になると話している。
シーゲル教授は、以前からバリューの復活を予想している。
この日も高配当株を奨めている。
理由は利回りを必要とする投資家の存在だ。
「FRBが短期金利を低く保っている。
長期金利は上昇を始めており、これは長期債が危険であることを意味している。
どこで利回りを得ればいいんだ?」
そこで復権するのが、過去10年以上アンダーパフォームを続けてきたバリュー株、とりわけ高配当株だという。
これまでも多くの人がこうした予想を立て、実ることなく今日を迎えている。
(最近少し盛り返したが、まだわからない。)
最近では《インカム・ゲインを得たければ株を買え》という笑えない冗談さえ定着しつつあるが、それでもトータル・リターンでバリューはグロースに対して劣勢だ。
今、穏やかなインフレの世界で2021-22年のインカム源はそこになる。・・・
頑張りすぎてハイイールド市場に行ってはいけない。
もちろん長期の米国債には近づくな。