投資

これからかなり異なる環境になる:レイ・ダリオ
2019年11月27日

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、パッシブ運用に適した経済環境について語っている。


コスト効率や多様化等の観点からいって(インデックス投資やETFの増加は)分別のある動きだと思う。

ダリオ氏がSky News Australiaに答えた。
日頃から投資家に分散投資を推奨している同氏は、過去10年の投資環境を解説した。

「世界に波がやってきて、その波は2008年から始まった。
金利がゼロに達したため、中央銀行は大規模な量的緩和を行った。
中央銀行は大量の金融資産を買い入れた。
このため金融資産の価格は上昇し、利回り、期待リターンは低下した。」

市場全体が上昇し、それにしたがいリターンが低下した。
何も考えないでも市場全体が上がるなら、高いコストをかけないでも、指数に連動する投資で十分だ。
リターンが低下するなら、運用者へ支払う報酬などのコストは安く抑えたい。
こうした投資家の思いが、莫大な資金をパッシブ運用に向かわせたのだ。

しかし、この大波が終わろうとしているとダリオ氏は話す。

これがこれまで(パッシブ投資が)乗ってきた大波だ。
そうした環境ではコスト効率を良くして波に乗ることが良いことだった。
私たちがこれから入る環境はそれとはかなり異なるものになるだろう。

ダリオ氏は従前から各国の金融緩和が無力化すると予想してきた。
その他の要因と合わせ、世界が大停滞に入ると予想する。
結果、市場では「修正」が起こると予想している。
つまり、株価指数がこれまでのように順調に上昇するとは限らない。
指数が上がりにくい相場になるのなら、それに連動するようなパッシブ運用を続ける意味はないだろう。
(もちろん、先を確実に読むことはできない。)

一般投資家がダリオ氏のアドバイスを読む読み方には危うさがある。
ダリオ氏は分散投資を奨めるが、それをパッシブ投資と同義と考えるべきではない。
アクティブ投資であっても、分散は重要だ。

ブリッジウォーターのファンドには2つの大きな柱がある。
ピュア・アルファとオール・ウェザーだ。
ピュア・アルファは名前の通りアルファを獲りに行くアクティブ運用だ。
オール・ウェザーは資産間の相関に注目したバランス型だが、これもアクティブ運用だ。
(この背景にあるリスク・パリティ等の考え方はこちらを参照。)

ダリオ氏が分散投資を奨めた時、それはパッシブ運用を奨めているのではない。
特に今、ダリオ氏はパッシブ運用に向かない環境になりつつあると言っているのだ。


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