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ウォール街 お金はタダのコモディティ:ロイド・ブランクファイン

元ゴールドマン・サックスCEO ロイド・ブランクファイン氏が、超低金利によってお金がタダのコモディティになったと語り、至るところで膨らむバブルを警告している。


債務の水準だけでなく金利の水準もそうだ。
お金はタダのコモディティに近い状態だ。
何かがタダだと、自由財のように、大切に使わなくなり、浪費する傾向がある。
だから、とても慎重に用心しなければならない。

高いリスク管理能力を有するCEOとして有名だったブランクファイン氏がCNBCで語った。
多くの人が低金利の弊害に十分に注意を払っていないという。
ブランクファイン氏は、今でこそ見えていなくても、後になってみれば必ず見えていたことを思い出すはずと話した。

しかし、お金がある種タダだと、おそらく規律あるやり方で配分されなくなってしまう。
そこにバブルの要素が生まれてくる。

ブランクファイン氏は、バブルの兆候が見られる3つ市場を挙げている。
1つ目はクレジット市場だ。

「過去とても信用力が低く少額しか貸せないと見られていたものにみんな貸している。」

2つ目は米国債の市場。

「みんな米財務省に10年で、今は80 bp、長い間60 bpで貸してきた。
あたかもインフレは二度と戻らず、あたかもドルが再び強くなると決まっているかのようだ。
それに加えて年60 bp(という利回り)が、取っているリスクに対する報酬となっている。」

インフレは本当に戻らないのか。
ドルは弱くならないのか。
60または80 bpは10年の利回りとして十分な対価と言えるか。
このいずれも、現状から有利な方向に大きく転ぶとは思えない。
つまり、利点はすでに伸び切っている。
逆にいずれが綻んでも、米10年債への投資は見合わないものになる。

3つ目が特別目的買収会社(SPAC)だ。

「お金が利を生まないことが明らかにバブルの要素を生んでいる。
例えばSPACを見ると良い。
事業計画ではなく誰かの名声によって大金が集まっている。」

SPACとは買収資金調達のための上場SPCである。
先に買収者となるSPACを上場させ、調達した資金で企業を買収する。
結果、SPACと被買収企業が上場企業グループとなる。
言葉は悪いが裏口上場のような感のある手法だ。
買収先を事前に定めないことから《白地小切手》とも言われる。

SPACは、用途を示さないのに資金調達を行う。
その可否はSPACの母体となる組織・経営者の名声次第だ。
事業計画が未定の経済主体にお金が集まるところが、なんともバブリーな世の中なのだろう。


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