投資

アスワス・ダモダラン お前はもう死んでいる:アスワス・ダモダラン
2021年2月5日

アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授が、プロに戦いを挑みだした小口投資家の行く末を予言し、重要な教訓をいくつか述べている。


参加するなら危険事項を忘れてはいけない。
エレベーターをいつ降りるか知る必要があるということだ。
モメンタムとはそれが効かなくなるまでしか効かない。

ダモダラン教授がCNBCで、GameStop等で起こったショート・スクイーズ狙いの買いに参加したいなら注意が必要と語った。
キャスターにとっては意外な答だったようだ。
2人のキャスターは小口投資家が示し合わせて買い上がろうとする行いに疑問を持っていた様子。
教授は《バリューエーション学長》の異名をとるなど(進化した)バリュー投資の担い手といえる。
当然、否定的な意見が聴けると考えていた。
しかし、ダモダラン教授の答は「トレーダーをやりたければやればよい」というものだった。

もっとも、ダモダラン教授は、聴衆の幸福を考えて「やればよい」と言ったわけではない。
むしろ逆だ。

「それ(モメンタムの先読み)がうまければ大金を稼げるが、そうでないなら惨殺されてしまう。」

市場の上下を予想するのがほぼ不可能であるのと同様、モメンタムの変化を予見するのも至難の業だ。
ダモダラン教授の「やればいい」は、損するのを承知でやるならどうぞご勝手に、といった意味なのだ。

ダモダラン教授は、今回の騒動の一翼を担ったロビンフッド(小口投資家をターゲットとした手数料無料の証券会社)についても毒を吐く。

トレードをする時には、投資が行われるようになってからずっと続いてきた現実を思い出さなければいけない:
動けば動くほど常に損をする。
こういうプラットフォームはあなたにもっと積極的にもっと多くトレードするよう促す。

問題は回数だけではない。
戦う相手も重要な要因だ。

ゲームの終わりはある意味すでに決まっていて、あなたはこのゲームに負ける。・・・
特に、相手方があなたより良いリソースを持っている場合はそうだ。
ゲームは選ぶべきで、これはあなたが勝てるゲームではない。

ダモダラン教授は、一部うまく売り逃げた投資家を除き、ほとんどの買い方が最初から負け戦を戦っていたと考えている。
騒動の前の株価やファンダメンタルズから計算される価値を大きく上回るところまで買われたのだから、ある意味当然の帰結だ。
ショート・セラーだけでなく、買い方のほとんども不幸になるやり方だ。
それなのに、なぜダモダラン教授は明確にNoと言わないのか。
どうやら経験が言わせているようだ。
口で諭しても、聴く側は「他の人がやっていることをやるなと言われているように感じ」納得しないのだという。

不幸なことに、人々がこれを学ぶ唯一の道は傷みを通してだ。
調整を迎え自分のお金を失うことからくる痛みだ。
この場合は失うことのできないお金だ。
学費・住宅ローン返済などのお金、遊んではいけないお金だ。

ダモダラン教授は、この学びが今起きつつあるのだという。


-投資
-, ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。