ハワード・マークス
 

いつリスク・オフ/オンするか?:ハワード・マークス

オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏が、弱気相場前後でのリスク・オフ、リスク・オンのタイミングについて述べている。


過剰な楽観、過剰なリスク許容だ。
人々が、リスクをとればとるほどお金が儲かると信じることだ。

投資家がリスク・テイクを減らすべき時のサインは何かとBloombergに尋ねられ、マークス氏が答えた。
同氏によれば、現状サブプライム/リーマン危機前のような大きな過剰を見られないとし、同様のクラッシュは予想されないという。
しかし、それでも弱気相場がやってこないわけではないだろうし、いくつか兆候も見えているという。

「お金がオルタナティブ投資や流動性のない投資の分野で積み上がっている。
投資家がリスクの高い賭けへの投資に殺到したら、それこそ注目すべきことだ。」

市場の変化に目を凝らし、他の市場参加者の多くより危うい兆候を見つけることに成功したら、まずはリスク・テイクを減らすべきなのだろう。
すると手元に(他に安全な資産が見当たらなければ)現金等価物が積み上がることになる。
次の課題は、いつリスク投資に戻るかになる。
マークス氏は投資家にありがちな行動・考えを紹介する。

「多くの買い手・資金があるのだから何も大きく割安にはならないとはよく言われることだ。
私の経験では、大混乱になると大勢の人は大金を抱え、火事の建物に駆け込むのではなく、逃げ出すものだ。
こんな言葉を知っているだろう:『落ちるナイフをつかみにいってはいけない。』」


非常に賢明かつ思慮深く見えるこうした行動は、実はアベレージな投資家のためのものなのかもしれない。
投資家とはそもそもリスクを(適切に)とることでリターンを得る職業だ。
プロの投資家はどんな時でも(適切に)とるべきリスクを模索すべきなのだろう。

マークス氏は従来から述べてきたスタンスを繰り返した。

私たちは自らの仕事を、落ちるナイフを用心してつかむことと考えている。
リーマン・ブラザーズ破綻後2008年の最後の15週間で、私たちは毎週5億ドル超の証券を購入した。
大成功だった。
2009年まで待っていたら遅すぎたんだ。

これはマークス氏の選択なのだ。
マークス氏は、2つの選択がありうることを認めている:

  • 安全をとってわずかなリターンを甘受する
  • より大きなリスクをとって高いリターンを追求する

腕に自信のある投資家なら後者にトライしようとするだろう。
あるいは、そうすることが存在意義とされることもあるだろう。
しかし、もちろん、後者を選べば、勝者と敗者が出てくるのも現実だ。

この点でマークス氏は少々不吉な予想を述べている。

年金や寄付基金などある水準のリターンを要求される機関投資家は前者を選択する余地はない。
状況が厳しくなれば、その一部はよくない判断をし、高リターンのため購入したリスキーな証券は失敗に終わるだろう。
だからこそ「リスキー」と呼ばれているんだ。


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