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グッゲンハイム スコット・マイナード いかなる金利上昇も自滅的:スコット・マイナード
2020年12月17日

グッゲンハイム・パートナーズのスコット・マイナード氏が、米経済の鈍化が見える中、拡張的金融政策を継続せざるを得ないFRBの事情について解説している。


今日出てきた小売りの数字のような高頻度の統計数字を見ると、経済は弱くなっていないとしても明らかにモメンタムを失っている事実が伺われる。
過去数週間の雇用の数字、失業保険申請件数もその証拠だ。

マイナード氏がBloombergで16日、足元の米経済の軟化について指摘した。
家計・企業救済のための財政政策の多くが期限切れとなり、次期大統領が決まっても十分な財政政策が講じられない。
経済のモメンタムが失われるのはある意味当然の展開だ。

「FRBが影響を及ぼし得る中で唯一残っている経済を支えるためのエンジンは住宅だ。
今日の住宅ローン申請件数は良かった。
少なくともFRBは、長い債券を買うことで住宅ローン金利を押し下げ、住宅ローンや住宅セクターを生かしておく目的で、資産買入れを行うことができるはずだ。
これが、弱くなりつつある他のセクターのたるみも少しは取り除くだろう。」

議会の機能が戻るのにしばらく時間がかかるなら、それまでのつなぎ役として中央銀行に期待がかかる。
しかし、すでにFRBは相当な金融緩和・信用緩和を行ってきている。
FRBに弾薬は残っているのか。
その問いに対するマイナード氏の答が住宅市場、住宅ローンだ。
FRBが資産買入れで長期金利を抑え込むことで、住宅市場を起点とした経済の下支えがしばらくは可能かもしれない。

問題は、現在の超低金利が持続可能かにある。
経済が回復しても金利には上昇圧力がかかるし、財政刺激策が講じられてもしかりだ。
マイナード氏は、後者について金融政策による援護射撃が必要になると話す。

もしも(財政)刺激策が講じられてもFRBがすぐに資産買入れプログラムを調整しない場合、長期金利上昇に対して脆弱な状況になるだろう。
おそらく1.25-1.50%になるだろう。
現実は、いかなる金利上昇も経済回復を自滅させるように働く。

こうした考えから、マイナード氏はいつものように変化球のような市場予想を述べている。

  • 短期的な金利上昇により、市場は鈍化するだろう。
  • 短期的に金利が上昇したとしても、来年は再び低下するだろう。

マイナード氏は以前から、米10年債利回りがマイナス圏まで低下すると予想してきた。
同氏は4月に原油先物価格がマイナスになる可能性に言及し、的中させている。

マイナード氏は同日のツイートで、FRBの金融政策が相当に長い間拡張的にとどめると示唆している。
単なるインフレ期待ではなく、インフレの実績が相当に高まってくるまで動かないと見ている。

FRBは、インフレが相当に近づくまで、資産買入れプログラムをコミットし続けざるをえない。


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