ハワード・マークス
 

あるべき論と相場は別のモノ:ハワード・マークス

オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏が、サイクル終期の政策と投資について語っている。


「もちろん私たちは低金利の影響をすべて知ることはできない。
今までここまで低かったことはなく、ここまで長くここまで低かったこともない。」

マークス氏がシンガポールのソブリン・ウェルス・ファンドGICのインタビューで語っている。
長く続く低金利には長所・短所があると指摘し、結果はプラス・マイナスが交錯したものになると予想した。
プラス面は、企業活動を促し、消費者の購買活動を楽にすることだ。
一方、マイナス面として、リスキーな行動までも助長されると心配している。

マークス氏は、足元での景気刺激策に対して懐疑的だ。

米国は大きな財政赤字だ。
ケインズならば、繁栄期あるいは景気拡大の11年目に大きな財政赤字を容認すべきでないと言ったはずだ。
米国は過熱やインフレのリスクを抱えている。
もちろん、利下げが行われ近いうちにも予想される今では金融政策もコストが大きい。


もともとケインズは景気の悪い時に刺激策を打ち、景気の良い時に元に戻すことを考えていたはずだ。
それが、趨勢的停滞という都合のいい言葉の下、長く長く景気刺激が続けられる。
ついには、次の景気後退期に打てる政策余地を小さくしてしまう。
結果、政策はどんどん非伝統的なもの、かつてはそれなりの理由で禁じ手とされていたようなものになり、それさえ伝統にしてしまおうという話になる。

マークス氏は優れた投資家らしく、あるべき論と投資戦略を別個に考えている。

個人的には景気拡大の11年目に刺激策を行うべきではないと思う。
しかし、市場は喜ぶだろう。

マークス氏は、当然だが忘れがちなこと、長く続く景気拡大・強気相場がいつかは終わることを強調する。
その上で、投資家はリスク・テイクをやめるべきではないが、いざという時への備えを怠るべきでないと話している。

最大のチャンスは、今安全に重点を置く投資家にあると思う。
今リターンを出せる程度の投資をしながら悪い展開に備えている投資家は、将来差をつけることができるだろう。
・・・
カギとなるのは、今は投資を続け、市場に参加し続けるが、将来避けられない困難な時期を乗り切れるよう、質に十分な重点を置くことだ。

マークス氏は、質の高いポートフォリオ構築とともに「クレジット、債務、フィクスト・インカム」への投資を奨めている。


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