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グッゲンハイム スコット・マイナード あと12年、金利上昇の心配はない:スコット・マイナード
2020年4月7日

グッゲンハイム・パートナーズのスコット・マイナード氏が、金融環境の長期的な見通しをいつものようにホライズン付きで述べている。


過去の国内債務市場の対米国債スプレッドを見ると、ほぼすべてのセクターで、極度かそれに近い拡大となっている。
しかし、私たちは、スプレッドのここからのさらなる急拡大を予想しており、過去そうした急拡大はいつも短期間で終わるとは限らなかった。

マイナード氏が自社ブログで、2日のFOX Businessでの発言内容を補足している。
はしょられていた根拠等が明記されており興味深い。

マイナード氏は昨年末、2019年のFRB金融緩和がクレジット・スプレッドを極度に圧縮したと批判した。
緩和による過剰流動性がフィクスト・インカム市場にも流入し、リスクに見合わない低利回りをもたらしたのだ。
これが、コロナ・ショックによって一変する。
市場の振り子は逆側に振れ、過去と比べても割安に見え始めている。
しかし、それでもまだスプレッド拡大の可能性があるという。
だから、マイナード氏は警戒態勢を緩めない。

マイナード氏は、経済指標の悪化にともない、今後もパニックが起こりうると予想する。
そして、ついに底を打つタイミングの兆候を予言する。

買いのシグナルと同時にもっとも起こりそうな指標は、失業率の急騰とISM製造業指数の低下継続だ。

最悪の状況を見た時、市場は底を打つ傾向がある。
「失業率の急騰」とは、米市場の「1%ルール」を念頭に置いたものだろう。

原油価格マイナスの真意

マイナード氏は2日の番組で「原油価格がマイナスになるシナリオ」もいくつか用意していると話していた。
これについて、趣旨を語っている。

「あまりにも供給過剰が悪化することで、生産者が原油を貯蔵するより手放したいと考える点が存在するということだ。
私はマイナスの原油価格を予想するわけではないが、原油が1バレル5-10ドルのレンジまで達しうるのを予想するのは容易だ。
1998年のアジア危機で原油は1バレル10ドルまでいった。
再び起こりえないとする理由は見当たらない。」

次は新興国市場のソブリン危機?

マイナード氏はコロナ・ショックが深刻化した先月、アジア危機のようなソブリン債務危機に発展する可能性に言及している。
今回の記事でも、新興国市場が次のドミノ倒しの現場になりうると警告している。
アジア危機の当時と比べ、債務増加の傾向があるためだ。

マイナード氏は、新興国市場のソブリン債における自国通貨建ての比率が高まったことを朗報としながらも、安心はできないという。
企業のドル建て債務が増えたためだ。
政府債務増を支えるため、金融緩和が継続され、新興国通貨安が予想される。
これが企業のドル建て債務の負担を大きくするというシナリオだ。
マイナード氏は、この数年新興国市場が迎え入れた「ホット・マネー」が今後逃げ出すことを心配している。

金利抑圧が続く

マイナード氏は、インフレや債券市場について長期的見通しを語っている。
いつか経済がデフレからインフレ・スパイラルへ局面を転換させ、債券の弱気相場になると予想する。
問題は、それがいつになるかだ。
マイナード氏は先例を紹介する。

「1929年の株式市場は超低金利時代の始まりだった。
その低金利時代は22年後の1951年、FRBと財務省の協定において政策立案者が経済拡大維持のために金利をもはや押し下げようとしないと決定した時に終わった。」

マイナード氏は、1951年にあたるのが2018年あたりだったと暗示する。
FRBは金融政策の正常化を模索し、利上げ・バランスシート縮小を続けていた。
しかし、金利上昇は2018年第4四半期の市場の大幅調整で頓挫し、今パンデミックでかき消えている。

「現時点での政策は、主に長期金利を可能な限り低く押し下げ維持することにある。
短期的にはこれが成功する可能性が高い。」

超低金利時代の投資推奨

マイナード氏は、いつかはパンデミックも終わると書いている。
そうなれば、いつかもう一度金利上昇を容認しようという機運がやってくるだろう。
マイナード氏は、さらりとホライズンを予想する。

「出口では、2019年第4四半期まで米GDPが戻るのに約4年かかるだろう。
このタイムスケールを用いるなら、ここから4年間、そしてさらに8年ほど、政策立案者が意味のある利上げを考えるまであるだろう。
短期的には私たちは金利上昇を心配する必要はない。」

危機から起算して24年を予想している。
1951年まで22年あったことを意識した面もあるのだろう。

マイナード氏は、この低金利継続予想から、投資推奨を導き出す。

この超低金利の間インカム・ゲインを確保する方法として、私は投資家に、質が高く長いデュレーションの債券の購入を奨める。
最終的には私たちはその状況を抜け出すが、もしも金利が私たちが考えるように低いなら、長デュレーションのフィクスト・インカム資産を保有するリスクは小さいだろう。


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