あと1回の保険的利下げが必要:ジェレミー・シーゲル

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、10月のFOMCでの利下げを主張した。
経済は悪くないが利下げすべきとの一見矛盾した主張に、1つの節目を感じさせる。


株式市場はあと1回「保険的利下げ」を望んでいると思う。
市場はそれが望ましいと考えており、私もそれが望ましいと考えている。

シーゲル教授がBloombergで、あと1回25 bpの利下げを主張した。
教授は18日のFOMC直後にも同様の主張をしている。
ブラード セントルイス連銀総裁が主張した50 bpの利下げに賛意を示し、積み残した25 bpを10月30日のFOMCで利下げすべきと語った。

本日(日本時間)15時のCME FedWatchによれば、市場が織り込む10月30日時点のFF金利は:

  • 1.75-2.00%(据え置き): 59.9%
  • 1.50-1.75%: 40.1%

シーゲル教授は

「それが間違いなく必要とされている。
株式市場もそれを望んでいる。」

と語るが、債券市場について言う限り、利下げ織り込みは4割まで縮小している。
シーゲル教授の考えには、イールド・カーブを安定的に順イールドにしたいという思いもあるのだろう。
教授は、よく言えば市場によく耳を傾け、悪く言えば徹底的に市場におもねるタイプの経済学者だ。


シーゲル教授は、FRB利下げが市場心理を悪化させうるとの懸念を退けている。
そもそも現状の経済状況ならば、利下げはあと1回だけになるという。

「ドット・プロットの多数は、先週の利下げ後の追加利下げを望んでいない。
だから、2、3、4回と利下げするのは、米データがとても弱くなる場合だ。
もちろんそれは控えめに言っても株式にとって良いニュースではない。
でも、それはFRBが動いたために、FRBが人々の知らないことを知っていると思われるのとは違う。」

シーゲル教授は、現時点でFRBがみんなの知らない悪い材料を持っているとは考えていない。
今後2回以上利下げするのは、米国の経済指標で予想よりはるかに弱いものが出てきた場合だけと言う。
そして、その米経済は堅調だ。

「米経済は2%程度の成長と、素晴らしくもないが酷くもない。
FRBの長期的な経済成長推計の1.9%にとても近い。」

今後の先行きについても、現時点で急変を予感させる材料はないという。

繰り返しになるが、素晴らしくはないが、予想よりいい。
米経済が大きく悪化する兆しは現時点ではない。


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