投資

【Wonkish】成功のための3つのポイント:レイ・ダリオ
2021年4月16日

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、財産形成のために必要な3つのポイントを語っている。


成功のために知っておかなければならないことが3つある。

ダリオ氏がCNBCで、金銭的成功のために必要な3つのポイントを語っている。
既出の内容ではあるが、このタイミングでCNBCが公表したことを鑑み、簡単に紹介・コメントしよう。

1つ目。
使う金額より多く稼ぐ方法を知ること。

当たり前のようで深い言葉だ。
ダリオ氏はこの言葉を個人に対してだけでなく、国家に対しても使う。
(双子の赤字を放置すべきでないと主張する。)

このポイントを実現するには2つのやり方がある。
たくさん稼ぐか、支出を収入より少なく切り詰めるかだ。
この両方ができないと、人は貧しくなる。

2つ目。
そこからうまく貯蓄し投資する方法を知ること。

このポイントについて正解はない。
世界中でマイナス金利が広がる中、現預金や債券で財産の実質的価値を増やすのは難しい。
だから、うまく投資しなければならなくなるが、投資には様々なやり方がある。
間違っている疑いのある投資法を避け、正しいと思われる投資法の中から自分に合ったものを見つけることが大切だ。

どれが間違っているのかを見極めるのは容易ではないが、明らかに避けた方がいいものはある。
バラ色の未来を約束し、投資家相手に商売しようとする輩だ。
儲かる方法とは、多くの人が追随するほど儲からなくなるものだ。
儲かる秘策を知っている人間は、決してそれを他人に明かそうとなどしないものだ。

3つ目。
うまく投資するための分散のやり方を知ること。
分散は、期待リターンを減らすことなくリスクを減らしてくれるからだ。

ここでは「リスク」という言葉に注意しよう。
ファイナンス理論において、特段の断りがなければ、リスクとは上下に同様の大きさで存在する(狭義)リスクを指す。
一般に言われるリスクとは、ダウンサイド・リスク、つまり下方に偏ったリスクであることが多いが、それは(狭義)リスクとは別物だ。

ファイナンス理論では、リスクと期待リターンを対として考えることが多い。
両者を独立した変数として扱い、ハイリスク・ハイリターンなどといったトレードオフを議論する。
例えば、ダウンサイド・リスクというのは下方だけに存在するため、純粋なリスクではない。
これは、(負の期待リターン+(狭義)リスク)と分解されるべきものだ。

さて、分散によって低減できるのは、この(狭義)リスクのみである。
あるダウンサイド・リスクを分散によって低減しようと試みても、低減しうるのは(狭義)リスクのみであり、負の期待リターンの部分は低減されない。
これを一般化すれば、分散によって期待リターンは変化せず、(狭義)リスクは低減できる可能性があるということ。
ここでいう(狭義)リスクとは例えばσリスク(リターンの標準偏差)である。
一方、ファイナンス理論がより重んじるβリスク(市場全体との連動度)は分散によって低減することはない。

ところが、βリスクを分散で低減できるという人もいる。
リーマン危機時のダリオ氏などがその例だ。
理論と異なる結果を同氏はどう実現したのか。
それにはタイムフレームが関係している。
ある期間に限定し、うまくアクティブ運用すれば、βリスクであろうと結果的に低減できる場合があるのだ。

ファイナンス理論は、その可能性を否定しているわけではない。
長い期間、一貫したポートフォリオ構成でβリスクを回避できるわけではないが、区切った期間でなら成功することはありうる。
ダリオ氏は史上最高のヘッジファンド・マネージャーとされているが、そのダリオ氏にしても1982年には大失敗をしている。
すべての従業員を解雇し、ジャズプレーヤーの父親から4,000ドル借金するほどの大失敗だった。
つまり、常にアクティブ運用でβリスクをかわし続けるのは至難の業だ。

ダリオ氏が幾度となく分散の重要性を説き、その難しさを吐露するのには、期間とタクティクスの選択がとても難しいためだろう。
これは、一般の投資家からすれば、マーケット・タイミングと同様、あるいはそれ以上難しい営みになろう。
血で血を洗う戦いをプロと繰り広げる覚悟がなければ、狙ってはいけない分野かもしれない。
つまり、分散による低減はσリスクまでとして、βリスクまで低減しようと欲張ってはいけないのかもしれない。


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