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【Wonkish】仮想通貨が愛され、嫌われる本当のワケ

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日頃から浜町SCIやThe Financial Pointerは仮想通貨に対して否定的だとのお叱りを受けることがままある。
ここでは、決してそうではないことをファイナンス理論の観点から説明したい。(浜町SCI)


よく世間で≪高いリスクに対しては高いリターンが得られるべき≫とのセリフが聞かれる。
ハイ・リスク=ハイ・リターンというわけだ。
しかし、これはファイナンス理論から言っても、現実から言っても、必ずしも正しくない。
少なくとも厳密でない。
ハイ・リスク=ハイ・リターンが当てはまるのは、その投資家がリスク回避者である場合だけだ。
しかし、実際の世の中で本当にリスク回避者が大多数であるかは伺わしい。

ファイナンス用語を確認しておこう。

  • リスク回避者: リスクを嫌うがゆえに、リスクを取る時にそれに対する対価を求める人。
    結果、リスクが高まれば、高いリターンを要求するようになる。
  • リスク中立者: リスクが大きかろうが小さかろうが、期待リターンが変わらない限りどうでもいいという人。
    こういう人はあまりいないかもしれない。
  • リスク選好者: リスクが大きければ、期待リターンが下がってもいいという人。

ここで断っておくが、特に断らない限り「リスク」とは上下の振れのことを表している。
ダウンサイド・リスクだけでなく、アップサイド・リスクも含んでいると考えるといい。

問題は3つ目のリスク選好者だろう。
この典型は宝くじの購入者だ。
宝くじは胴元が販売収入の何割かを取るため、購入者の期待リターンはマイナスだ。
これはハイ・リスク=ロー・リターンであり、リスク回避者にはありえない。
購入者はアップサイドを見て、マイナスの期待リターンの取引を行うのである。


興味深いのは、人間はある時はリスク回避者、ある時はリスク選好者になるという点だ。
ファイナンスの定石どおりハイ・リスク=ハイ・リターン、ロー・リスク=ロー・リターンの投資をする人が、宝くじを買う時は全く逆のリスク・テイクをしたりする。

仮想通貨も似たようなものなのだと思う。
金融政策があまりにも強く効きすぎて、金融商品の値動きが面白くなくなってしまった。
期待リターンはもしかしたら-100%かもしれないが、当座の値動き(≒リスク)の大きな対象を求めたということではないか。
それを理解している限りにおいて、取り立てて非難すべき相手でもないはずだ。
それは、宝くじや公営ギャンブルを非難しないのと同じことなのだ。

では、なぜ仮想通貨に対して否定的なスタンスを取る人が多いのか。
大きく2つあろう。

  • 犯罪・不法行為の温床となりうるのに、防止のための努力が不十分で、責任の所在もあやふや。
  • ハイ・リスク=ロー・リターン商品であることを隠し、相場の肥やしとするために、無知な投資家を勧誘する事例がある。

こう書くと、浜町SCIが仮想通貨の通貨としての将来に対してまったく正当な評価を与えていないと批判を受けるかもしれない。
実際のところ、浜町SCIでは、投機の対象となりうる仮想通貨には通貨としての将来は見出し難いと考えている。
価値が持続的に上昇する、つまりデフレ仮想通貨は、その通貨がカバーする経済を繁栄させにくい。
逆に、価値が上昇しない、むしろ緩やかに減価していくような仮想通貨は、投機の対象とはならないが、通貨としての将来があるのではないかと考えている。


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