【QUOTE】FOMC議事録(10/31-11/1)

10月31日・11月1日に開催された米FOMCの議事録から金融市場にかかわるところを抜粋。
資産価格上昇が急激に反転する可能性について言及されている。

「金融市場についてのコメントでは、最近のドル高・米国債利回り上昇にもかかわらず金融環境が緩和的のままと出席者が概して判断していた。」


FRBはバランスシート縮小を開始した。
これまでFRBは、バランスシートが保有資産の償還とともに減ってしまわないよう再投資を行ってきた。
この再投資額を減らすことで、償還とともに緩やかにバランスシートの縮小を許すということだ。
資産買入れは比較的長めの米国債やMBSが多かったから、バランスシート縮小は中期から超長期の債券市場等でFRBによる需要を低下させることを意味する。
これは、中期以上の米金利上昇圧力となるが、実際には金利上昇はほとんど進まなかった。
2年金利は上昇しているが、10年金利は今も2.4%の見えない天井で跳ね返されている。

米金融環境はそれほど引き締まっていない。
これは何を引き起こすか。

資産バリュエーションの上昇、低い金融市場のボラティリティに関して、出席者の何人かが金融の不均衡の潜在的拡大への懸念を示した。
彼らは、資産価格の急反落が経済に悪影響を及ぼしうる点を心配していた。
しかし、資産価格上昇の一部は低い中立金利で説明できるとの指摘もあった。
さらに、規制の変更が近年、金融セクターにおける資本と流動性の状況の大幅な強化に寄与してきたと観察され、これは金融システムのバリュエーション低下への耐久性を改善してきた。

この部分では、資産価格にファンダメンタルズからの乖離、つまりバブル的な兆候が見られることをFRBが認めているのだ。
それでも大丈夫とのフォローは、中央銀行としての常套句でもあり、そこそこ正当な主張でもある。


市場関係者の中には、FRBが金融引き締めを行わなければならない理由はないとの反対論も多い。
引き締めの経済・市場に対する悪影響を心配する人に多い主張だ。
一方で、FRBにも理由はある。

  • 次の景気後退期に緩和余地を持っておきたい
  • 資産価格高騰がもたらす金融不安定を予防したい

現行の金融引き締めの根拠の一つとして、資産価格高騰に言及するのは自然なことだ。
問題はその本気度がいかほどかということだろう。
今の株価・住宅価格は果たして高いのだろうか。

米株価(Russel 3000、青、左)とケース・シラー住宅価格指数(赤、右)
米株価(Russel 3000、青、左)とケース・シラー住宅価格指数(赤、右)

FRBが明らかな引き締めに着手したのに、金融市場は引き締まらない。
もちろん海外要因もあろうが、FOMCではフォワード・ガイダンスの成功に触れている。

「出席者の何人かは、FRB保有資産の緩やかな縮小案の宣言・開始に対する金融市場の反応が限定的であった点に言及した。
この限定的な反応と擦り合うように、FOMCのバランスシート正常化に関するコミュニケーションを市場参加者が明確かつ効果的と評価しているとの指摘があった。」

日銀の無言は永遠の金融緩和を示すのだろうか。
それともサプライズによる急激な引き締まりを示唆するのだろうか。


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