【輪郭】語られないサブシナリオ

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週刊エコノミストで「もっと知りたいエコノミストの本音」という特集を組んでいる。
そのなかで世代を4つに分けてエコノミストへのアンケートを行っているのだが、中身を読む前に笑ってしまった。(浜町SCI)


同アンケートでは4世代、計15名の著名エコノミストに今後10年間の物価上昇率・潜在成長率予想を尋ねている。
ついつい目がいくのは物価上昇率の数字だ。
2%を超える数字が見当たらない。
唯一「2」の文字が入っているのは、某証券のエコノミストの「1-2%」だ。
日銀が目指しているのは《基調的な2%》だから、これも未達と言うべきなのだろう。


エコノミスト誌の記者の人脈が偏っているのだろうか。
YesでありNoだ。
15名のうち14名は民間のエコノミストであるという点で「エコノミスト」という母集団から言えば偏っている。
しかし、今や絶滅危惧種となりつつある楽観的リフレ派は、もはや日銀執行部や官邸の周辺ぐらいにしか存在しない。
その意味では、偏っているにしても偏りはそう大きくないと言えるかもしれない。

リフレ派であるかどうかは別として、日本の文脈の中での2%物価目標が高い目標であることは誰もが認めるところだ。
なにしろ、2年で達成できると言っていたのが4年経っても達成できていないのだから、是非は別として、2%はとにかく難しいのだ。
この様子を見ていて2つ思うことがあった。

まず1つめは非伝統的金融政策はいつまで続くのかということ。
仮に今回アンケートに答えた15名のエコノミストの予想があたるとすれば、おそらく5年以上、場合によっては今後10年、2%物価目標は達成されないことになる。
一方、安倍首相の政権運営を見る限り、仮に来年、日銀総裁交代がある場合でも、後任の総裁は引き続き現体制の方針・政策を継続する人物になる可能性が高い。
物価目標が達成されず、方針にも変更がないとすれば、現状のような金融緩和が継続する、あるいは強化されることになろう。
これは、持続可能なのか。
本当に経済にとって最善の道なのか。

(次ページ: 語られないサブシナリオ)

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