クリストファー・シムズ
 

【輪郭】物価水準の財政理論FTPLの基本のき

執筆:

面白い理論だが、眉に唾して聞いておけ

ここでは、各変数の従属関係を無視した上で、平易に説明した。
実際には各変数は複雑にかかわり合っている。
たとえば、金融政策で変化するのはマネタリー・ベースや政府債務の実質利回りであろうが、政府債務やプライマリー・バランスにも影響は及ぶ。
財政政策は政府債務やプライマリー・バランスを扱うものだが、それは政府債務の実質利回りを変化させる。
シムズ教授の主張は、金融政策だけで問題を解決することが理にあわないというものなのである。
実際、教授のマネタリスト評は厳しい。



「インフレとは、税制・歳出・中央銀行の公開市場操作の意思決定の相互作用の結果である。
これをより複雑だがより現実的な枠組みで考えることは、時代遅れのマネタリストの一次元的なアプローチから得られるより明確な政策ガイダンスを与えてくれるだろう。」

確かにマネタリストの試みは失敗した。
しかし、それがFTPLを正当化するわけではない。
実際、同理論については、少なくとも日本では相当に懐疑的な意見が多いようだ。
その紹介は、次の機会としたい。



山田泰史山田 泰史 横浜銀行、クレディスイスファーストボストン、みずほ証券、投資ファンド、電機メーカーを経て浜町SCI調査部所属。東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修了 理学修士、ミシガン大学修士課程修了 MBA、公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。

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