元Goldman Sachs Asset Management会長ジム・オニール氏が、強気・弱気が交錯する市場の心理について解説している。
どうして米国株市場(そして多くの他の市場も)はこう動いているのか?
しばしばそうであるように、今日の市場参加者の集団は金融コメンテーターより賢明なのか?
オニール氏がProject Syndicateで、3月下旬からの株式市場の目覚ましい回復について疑問を投げかけている。
オニール氏は寄稿の中で、コロナ前後で起こりうる社会の変化についても論じているが、やはり市場についてクローズアップした部分が面白い。
同氏による市場心理の分析を紹介しよう。
驚くことではないが、最新の予想はすべて割れている。
多くの人はほとんどの市場アナリストの暗い見通しに賛成し、S&P 500が1,600程度まで下げると予想している。
これは、複数月に及ぶ経済崩壊と擦りあうものだ。しかし、来年初めまでに4,000を超えるかもしれないと信じる人もいる。
4日のS&P 500終値は2,842.74。
下げ予想はテクニカル分析を根拠にしたものだ。
一方、急騰予想はワクチンの普及を前提にしたものと示唆されている。
確かに市場予想は割れている。
しかし、完全に相反するともいえない。
弱気予想と強気予想はいくらかホライズンが異なるかもしれないからだ。
オニール氏はS&P 500が1,600になるシナリオを1つ呈示している。
もちろん、米国や世界の他の国々は、ロックダウンを終える移行において失敗し、政治的混乱・社会的悲惨の時期を引き延ばしてしまうかもしれない。
S&P 500が1,600まで墜落してもおかしくない。
一方、そうしたことはないかもしれない。