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【短信】GameStop騒動の犠牲者:ビル・グロス

先日GameStop騒動について辛口の言及をしたビル・グロス氏が、総括ともいえる短いコメントを公表した。


群がるショート・セラーに襲い掛かり、狂ったように自己破壊的なショート・カバーに走らせようとするGameStop/Redditを舞台にした作戦は、いくつかの主要な理由により心配したようだ。

グロス氏が2日Investment Outlookでコメントした。
同氏は主たる理由を2つ挙げている。

  • 買い方の軍資金と持続力では、小さなヘッジ・ファンドをやっつけることはできても、大手や個人を屈服させることができなかった。
  • 買い方が素早くターゲットを変え、ついてこれない人が多かった。

「リーダーのいない集団は、デートの相手と同じように、異なる時間に異なる方向に動いてしまう。
要するに、その結束は、強い絆の結婚とは違うんだ。」

しょせんはネットですれ違った他人同士。
しかも、みんなで理不尽な水準まで買い上がっている。

グロス氏は、対象銘柄のファンダメンタルズが改善しない限り(もちろん、株価上昇だけでそれは起こらない)、いつか株価は騒動前に戻ろうとするだろうと指摘する。
しかも、椅子取りゲームの終わりのようにだ。

一般投資家がプロに反撃したとして、米国では喝采を送る人さえいる今回の騒動。
では、結局誰が損をしたのか。
まず明らかなのはショート・スクイーズにあったヘッジ・ファンド。
彼らに対する同情はほとんど見られない。
プロだからやられても当たり前、ヘッジファンドとはそういう商売、との見方が一般的だ。
では、損を被ったのは彼らだけなのか。

グロス氏は本当の犠牲者を指摘する。

GameStopの実験におけるこれまで、これからの犠牲者は、(ヘッジファンド/旧来のウォール街による支配に対して創造的破壊を起こそうという立派な目的を持って)成功のための規模・終了プラン・数学的オプションプライシング能力を持たないまま資本市場に殺到したロビンフッド投資家だ。
規制上の制限等がなかったとしても、最初から作戦は失敗する運命だった。

グロス氏は本件についてあくまで辛い。
買い方の大半が犠牲者といいながら、自業自得といっているのだ。

誰が犠牲者か。
グロス氏が創業したPIMCOでグロス氏とトロイカ体制を敷き同社の黄金時代を築いたモハメド・エラリアン氏はCNN Businessで討ち死にした買い方について興味深いコメントをしていた。

小口投資家は、私が市場に入った初日に言われたようなことを思い知ったのではないか。
『ウォール街には友達はいない。』
友達がいると思っていたら、それは間違いだ。・・・
小口投資家にとってショックだったのは、彼らがロビンフッドを友達と思っていたのに、ロビンフッドは何か友達がやらないようなことを強いられ、小口投資家にやった点だ。


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