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【短信】FRB利下げの本質:モハメド・エラリアン
2019年10月9日

アリアンツ首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏が解説するFRB利下げの根拠が、今の米市場のさまざまな見方を象徴していて興味深い。


純粋に経済を見た場合、利下げを正当化するのはとても難しい。
しかしながら、市場も考慮するとFRBには利下げ以外の選択肢はない。
もしも利下げしなければ、市場の混乱のリスクが経済に跳ね返ってくるリスクが高くなる。
だから前向きな理由でなく後ろ向きな理由で利下げを行うのだ。
間違いなくこれを望ましく思わない人もいる。

エラリアン氏がBloombergで、FRBのタカ派に同情を示しつつ、FRBの本心を代弁した。
言い古された話ではあるが、ここには2つの論点が含まれている。

1つ目は、この理屈が米国における金融ポピュリズムを生んでいるということ。
資産効果の効きやすい米国においては、市場を支えることが経済にプラスになるのは事実なのだろう。
グリーンスパン時代からのこうしたスタンスは、同時に2つの大きなバブルを生んだことも忘れてはいけない。
そして、構造は異なっても、こうした金融ポピュリズムは至るところに存在する。
「市場」のところを「為替」と言い換えれば多くの国に当てはまる話になろう。

2つ目は、今回のFRBの2回の利下げが本当に《保険的利下げ》だったのかということ。
米経済が悪いとは言えないまでも、以前と少々異なる心配な材料は増えつつある。
あと1回、2回と利下げが続くなら、これは本当に保険なのか。
あるいは、経済が本当に悪くなっているのかもしれない。
エラリアン氏は保険と決めつけているが、どうやらここにも議論がありそうだ。


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