終末博士の異名をとるマーク・ファーバー氏が、今後の投資環境について独特の見通しを述べている。
印ETから《1百万ドルを渡され3年で40-50%のリターンを上げろ》と言われたら何に投資するかと尋ねられた。
君に返すよ。
今後3年で40-50%リターンが上がるとは思わないし、夜はぐっすり眠りたい。
君とは友達でいたいしね。
ファーバー氏が答えた。
3年で40-50%というのは(当然ながら確定利回りとしては不可能だが)見果てぬ夢というほどではない。
同氏は、今後3年のホライズンの投資環境がかなり厳しくなると考えているのだ。
ETのキャスターは「5年ならどう?」と食い下がっている。
ファーバー氏は、よくて年10%、実質10%は定かでないと答えた。
同氏の今後の展望は実に《終末博士》らしいものだった。
投資家は考えを変えないといけない。
資産からお金が儲かると信じることから、世界経済が何かおかしいと信じることへだ。
問題は、どのような理由であれ、すべてのものが下がると仮定して、マイナス・リターンの資産市場でどう舵を切るかだ。
ファーバー氏はすべての金融資産クラス(含む通貨。つまり実質ベースの話)にベアな見方をしており、3-5年のホライズンで下げる可能性を見ている。
すべてが下げる中では資産の保全、つまり、少しでもマシな選択肢を選ぶことが重要とし、貴金属が有望と述べている。
(貴金属が有望と考えながらも、分散投資は維持している。)
ファーバー氏はこの極端に聞こえる考えの背景にある見方を明かしている。
過去40年間、私たちはすばらしい資産インフレを享受してきた。
それが終わりつつある。
それが終わると、下り坂になる。
下り坂では、専らロスを最小にするようにしないといけない。
儲かるかどうかではなく、ロスを最小にすることだ。