ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が「最後の審判」を2020年に目撃したと話している。(1/2)
ガンドラック氏がYahoo Financeのインタビューで、いつものように米国の放漫財政を嘆いている。
「(政府)債務の利払いは垂直に爆増している。
旧債は25-50 bpからせいぜい1%で発行されたものだったが、償還を迎え、すごいスピードで償還が進んでいる。
・・・(借り換えで)債務の利払いはとんでもなく増加している。
すでに利払い費はFRBが利上げを初めて以降、数千億ドル増大し、年間5,000億ドル(約75兆円)増え、文字通り垂直だ。」
増分とされる年75兆円といえば、日本の一般会計予算の2/3の規模だから、これは米国にとってもとても大きい。
財政悪化の悪影響を即時に受けやすい債券投資家は、それに対する感度が高い。
(一方、財政拡大で即時に恩恵を受けやすい株式投資家は往々にして無責任な言動を決め込むことがある。)
ガンドラック氏は、この悲惨な財政問題が十分に注目されていないことに危機感を持っている。
そして、政治家は対処するどころか助長していると批判した。
「政治家はMMTのような考えを持ち出したが、結果が絶望的だったのは知ってのとおり。
わずか5年前のことだ。
・・・
こういうことを言っていた人はみんなネズミの穴に戻っていったようだ。」
みんなこれが持続可能でないことを理解するために最後の審判の日のようなものを経験しないといけない。・・・
私は米財政の最後の審判の日を経験した。
それは2020年で、その時、米国はルビコン川を渡ってしまったんだ。
ガンドラック氏は「みんな」の例として破綻したウィーワークを挙げた。
一方で、自身が目撃したのは、パンデミック対応と銘打った過度な財政政策だ。
米財政の悪化ペースを考えれば、ガンドラック氏の危機感は健全なものなのだろう。
賢者にとっての最後の審判の日が過ぎたのなら、もう行先はかなり決まっているのだろう。
ただ、財政悪化の大先輩である日本の経験から言うなら、ここから終末まで、想像以上に長く長く持つかもしれない。