ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授は、強気スタンスを継続しつつ、かなり具体的に米市場の調整入りの可能性について語っている。
私は間違いなく長期で強気であり、強気相場が終わったとは考えていないが、調整が入るかもしれないと見ている。
シーゲル教授がBloombergで、米国株市場に調整が入る可能性があると話した。
注意深く、弱気と取られないように言葉を選んでおり、長期で強気とのスタンスはその通りなのだろう。
しかし、シーゲル教授の発言の時系列での変化を見る限り、これは少し弱気寄りのトーンととるべきだ。
これほど弱気寄りに振れるのは、長期金利上昇が株価に悪影響を及ぼすと見られた2018年第4四半期以来だろう。
シーゲル教授は調整入りの可能性を予想する理由をいくつか挙げている:
- 5%調整が200営業日ない。
- 季節的に8月下旬から9月は相場がさえない。
- 新学期の買物で「値札ショック」(値上げにびっくりする)があれば、公衆の議論が起こる。
- デルタ変異種。
教授は、株価上昇要因を付け加えるのも忘れない:
- 企業収益の拡大はまだ順調。
- 他に選択肢がない。
シーゲル教授の論拠はCNBC出演時とほぼ同一だ。
教授がやや弱気に振れるのも無理はない。
株価上昇要因に挙がった企業収益はいつまでもコロナ明けの勢いを保つわけではないだろうし、他の選択肢もテーパリングとともに魅力を増すかもしれない。
そこに株価下落要因が覆いかぶさっている。
シーゲル教授は調整入りの可能性を以前も口にしていたが、今回はホライズンと幅についてかなり具体的に言及している。
マイナス要因が積み上がっており、今後2-5週間のうちに5-10%の調整があるかもしれない。