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【短信】需給均衡金利はまだ上方:ポール・チューダー・ジョーンズ

グローバル・マクロの大ベテラン、ポール・チューダー・ジョーンズ氏が、現在の地政学的リスクと米財政悪化について厳しい見方を述べている。


今や地政学的な試練となる3つの劇場が開いた。

チューダー・ジョーンズ氏がCNBCで、ハマスとイスラエルの戦争について語った。
3つの劇場とは中東とイスラエル、ウクライナとロシア、台湾と中国のことだ。

「私が生まれてからで最も恐ろしく、困難な地政学的状況かもしれない。」

1954年生まれのチューダー・ジョーンズ氏がいうのだから、東西冷戦の最悪期よりも危ういということなのだろう。
同氏はこの後、中国・ロシア・北朝鮮の指導者をソシオパスと呼び、イランが知的な国家を滅ぼそうとしていると辛辣に非難した。
わかりやすいアメリカ人なのだ。

チューダー・ジョーンズ氏はもう1つの懸念材料を付け加える。

それと同時に、間違いなく第2次大戦以降で米国はおそらく最も財政が悪化している。

こちらは伝統的保守層に典型的な意見だ。
とはいえ、これは客観的な事実であろう。

チューダー・ジョーンズ氏は現状に厳しい見方をしている。
一方、市場は悪いニュースに対して慣れきってしまっていると危惧する。

私たちはヘッドライン・リスクに対し疲弊してしまった。
だからといって、何か悪いことがあった時に非線形な反応で市場が地に落ちることがないことを意味するわけではない。

チューダー・ジョーンズ氏は、よからぬシナリオとしてイランとイスラエルの直接戦争を挙げた。
そうなれば、次々と他国が関与を強め第1次大戦のようになるという。
イランとイスラエルの関係の見極めがつくまでは、リスク資産への投資に慎重とのニュアンスを含ませている。

(次ページ: 金利上昇が景気後退を招く)


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