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【短信】金利上昇はいいことだ:ジャネット・イエレン
2021年6月8日

ジャネット・イエレン米財務長官が、金利上昇が社会・FRBにとって良いこととコメントしたことが、FRBテーパリング観測に関連して注目を集めている。


少々の金利上昇の環境になるとしても、それは社会の観点・FRBの観点にとって実質的にプラスになる。

イエレン財務長官がBloombergに、バイデン政権による大規模財政政策を擁護する発言を述べた。
これまでの大規模財政出動による物価上昇は来年には解消していくと予想。
長官は、バイデン政権による今後の財政支出が年あたり4,000億ドル規模になると明かし、インフレが行き過ぎるほどの規模ではないとした。

イエレン氏は、ヘリコプター・ベンと揶揄されたベン・バーナンキ氏から2014年にFRB議長職を引き継いだ。
同職の重要性から毎度のように多くの高名な人物が候補に挙がった。
当時、イエレン氏を推す人たちが挙げた理由の1つに同氏の予想の正確さがあった。

バーナンキ氏は基本的に金融緩和に終始した議長だった。
例外は、就任時のアラン・グリーンスパン体制での利上げの踏襲と、退任直前のテーパリング開始だった。
一方、イエレン体制は、テーパリングを継続した他、利上げ開始、バランスシート縮小開始を実現し、小幅ながらもFRBの金融政策正常化が進むこととなった。
ちなみに、2018年イエレン氏から議長職を引き継いだジェローム・パウエル氏は、市場の急落を受けて金融緩和に逆戻りすることになる。

巡り合わせもあろうが、イエレン議長が金融政策正常化に利点があると考えているのは、今回だけではないのだろう。
財政をふかし景気が良いうち、あるいは、インフレが高まり実質金利が押し下げられているうちに、ある程度の正常化を行い、のびしろを作っておくべきとの考えだろうか。
あるいは、超低金利が継続することの副作用を見ているのだろうか。

私たちが低すぎるインフレ、低すぎる金利と戦ってきて今や10年になる。
これらが元に戻ってほしいし、状況が和らぐなら悪いことではない。
良いことだ。

残念ながら、日本の場合、重要な要件がまだ揃わないように見える。
コロナ禍が続き景気が回復しない、デフレ/ディスインフレが続き実質金利が下がらない中、日本のイールドカーブ・コントロールの見直しは難しい。


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