ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が米景気の鈍化を指摘し、債券市場について景気後退後の趨勢的弱気相場入りを予想した。
今起こっているのは、経済が転換点に向かっているということだろう。
がんドラック氏がFOX Businessで、地区連銀ごとの経済予測に大きな相違が生じている点を解説した。
先月16日発表のアトランタ連銀GDP Nowでは、第3四半期のGDP成長率予想を年率換算5.8%と、極めて高水準と予想していた。
ところが、今月6日発表の地区連銀経済報告(ベージュブック)では、米経済の鈍化を示唆する内容となっている。
また、セントルイス連銀発表のGDP Nowcastでは、第3四半期のGDP成長率をマイナス圏と見ている。
ガンドラック氏は、コロナ下での政策の効果が終わりつつあると指摘する。
お金が配られ、家賃支払いが猶予され、学生ローン返済が猶予された。
・・・これにライフスタイルを順応させた。
そして、政府からもらったお金が尽きて、お金を借り始めた。
米国民は消費が好きな国民性だ。
借金をしてでもお金を使いたがる。
そこにパンデミックが起こり、お金が配られ、借金返済の猶予が与えられた。
「過剰貯蓄」という言葉で表現され、これが消費に向かった。
供給制約とともに高水準の消費がインフレを押し上げ、金利が上昇した。
パンデミックのお金が尽きると、借金だけが残る。
消費者は初めて金利上昇の過酷さを身にしみて感じることになる。
ガンドラック氏は、さらに納税の再開も指摘している。
「経済は6-8か月後に壁にぶち当たるだろう。
消費行動は利払い負担により停止するだろう。」
市場では債券の趨勢的弱気相場が到来したのではないかとの指摘が多い。
ガンドラック氏も、今後6-8年、政府債務が膨張を続けると予想している。
しかし、債券相場については、一本調子での弱気相場は予想していない。
なぜなら、景気後退入りを予想しているからだ。
インフレを下げ、景気後退入りで2%まで下がり、おそらく一時的にデフレになるのではないか。
これが(政策による)反動的対応を呼び、とてもインフレ的な環境になる。
・・・債券利回りは上昇を始めるだろう。