【短信】量的引き締めは危なすぎる:デニス・ガートマン

デニス・ガートマン氏が、FRBの進める量的引き締めの危険性を喚起している。
にもかかわらず、FRBは翻意しないだろうと予想している。


アクセルから足を外し、経済のエンジンの燃料を減らし、株式市場のエンジンの燃料を減らす。
・・・これはとても危険なことだ。

ガートマン氏がFOX BusinessでFRBが進める量的引き締めのリスクを指摘している。
量的引き締めにリスクがあるかどうかは議論があるところだ。
そもそも量的緩和自体の効果さえ疑われることがある。
理論的には、ベン・バーナンキFRB議長(当時)が言ったように、マネタリー・ベースを増やすという意味での量的緩和には効果がない。
ただし、マネタリー・ベースが人々に何らかの期待(誤解)を与えると、それが効果を及ぼすはずとニューケインジアンは主張した。
このため、ニューケインジアンの1人、ケネス・ロゴフ教授は量的引き締めについて、誰も気づかなければ何も引き起こさないと解説している。


理論の世界では量的引き締めに危険はない可能性もある。
しかし、それでは量的緩和に効果があったとされ、景気がそれなりに回復したこととの整合が付きにくい。
スタンリー・ドラッケンミラー氏は、量的緩和に効果があって量的引き締めには悪影響がないというようなおとぎ話はないはずだと指摘した。
ガートマン氏のように量的引き締めに気づいてしまった人は少なくないのだ。

ガートマン氏は、量的引き締めが経済・市場に大きな悪影響を及ぼすと考えている。
にもかかわらず、FRBは軌道修正できないだろうと予想する。

「FRBにその能力があるかも疑っている。
問題は、FRBのスタッフが古臭いフィリップス曲線のような人材で占められていること。
彼らは米国における労働市場の引き締まりをインフレ的なものと信じている。
でも実際には長い間デフレ的だった。
かつてより生産性が上昇していることを見落としているんだ。」

ガートマン氏の読みは、FRBが量的引き締めを停止・反転できないというものだ。
同氏の脳裏には暗い将来が見えているに違いない。

「FRBが止めることを願っている。
(保有資産の償還で得た)資金を(同様の資産に)再投資し、より忍耐強い視点を持つことを願っている。」


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