バリュエーション学長の異名をとるアスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授が、現在の米株価水準を「OK」と言っている。
「この規模の会社の株がある程度割高になることなしに40%も上昇するなんてありえない。
現時点でこれら企業の株価を見ると、目一杯か割高かだ。」
ダモダラン教授がCNBCで、米大手テック銘柄FAANG+Mのバリュエーションについてコメントした。
教授によれば、昨年半ばには6銘柄すべてが割安に見えていたという。
年初でも4銘柄が割安だったという。
ダモダラン教授は、米国株市場あるいは米株価指数を牽引してきたこれら銘柄がこのまま上昇を続けるとは見ていない。
仮に市場が年内上昇するなら、これら銘柄が主導するのは難しく、他の銘柄が取って代わらないといけないが、それは難しい。
大企業、大きな時価総額だからだ。
AIが上昇継続の材料にならないかとの問いには、AIが業績にどれだけ寄与するかが重要とし、従前どおり、かなり慎重なスタンスを示した。
最後に米市場全体の株価水準についてコメントを求められている。
現在の金利と(市場の)利益期待を文字通り受け取るなら、現在の市場はOKだ。
これらの片方または両方が危うくなりうるが、それは過去10年どの時点でも市場について言えたことだ。
だから、金利とインフレの影響が注目されているが、市場を見るに、変化するファンダメンタルズの元で私が予想するだろう状況にある。
いつものように禅問答のような難解さのあるダモダラン教授の説明だ。
この発言の前に、アナリストによる利益期待の話もしているが、これも難解ながら、やや楽観的すぎるとのニュアンスを出している。
しかし、それでも教授は軽々に割高や売りのサインは出さない。
過去、市場が楽観的すぎても株価が上昇を続けた時期はとても多い。
市場の振る舞いを知り抜いているのだ。