【短信】通貨安で繁栄は得られない:ローレンス・サマーズ

ローレンス・サマーズ元財務長官(現ハーバード大学教授)が、トランプ大統領がドル安誘導のための為替介入を検討しているとのニュースにコメントした。
その主張は米国という特殊な国を超えて、すべての国家に敷衍されている。


「そうならないよう願っている。
それにはリスクがある。」

サマーズ氏がCNBCに出演、苦々しい表情でトランプ政権のドル安誘導が実現しないことを願った。
とりわけ米国のように国内の貯蓄で投資を賄えない国にとって、自国通貨安は望ましいものとはいいがたい。

自国通貨が強くあってほしくないとサインを出せば、自国通貨をゴミ箱に捨てるようなことをすれば、すべての米国の自宅保有者や企業の借り入れコストを増やしてしまう。
だから、それは米経済の競争力・効率を上げるのではなく下げるように働く。

米国は経常赤字の国であり、米経済は海外からの資金に依存している。
その米国がドル安を望めば、諸外国の投資家は米国への投資をためらうようになるだろう。
これがドル金利を上昇させる。

サマーズ氏は、通貨安誘導の弊害についてこの点だけに拠っているわけではない。
通貨安とはもっと幅広く国家の繁栄と相いれないものと考えているようだ。

私が財務省にいた時、米国が常に言っていたのは、いかなる国もその価値を切り下げることによって繁栄を得ることはできないということだった。
これは最終的には制度の質、労働者の精勤、企業の起業家精神にかかわることであり、米国はこれらを大切にしようとしているんだ。


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