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ハワード・マークス 【短信】自らのバイアスを知れ:ハワード・マークス
2024年1月18日

オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏のインタビュー続き: 典型的な投資家のバイアスといずれを選択すべきか。


私はかつて、投資を簡単そうに聞こえるよう語ったことはない。
投資は簡単ではない。

マークス氏が、投資を軽く見ると痛手を負うと警告した。
友人の書籍のタイトルを引いて、投資は「単純だが簡単ではない」と語った。
この指摘からすれば、巷に溢れる少なからぬ投資本、投資サイト、ビデオが害毒ということになろう。

では、マークス氏は、優れた投資成績を上げるために何が必要と考えているのか。

「誠実、勤勉で、有効な哲学を持ち、自身の限界とバイアスを理解し、感情を制御できるなら、長い目で見て概して良い仕事ができるだろう。」

なんと高いハードル、なんと長い道のりだろう。
気が遠くなるのをこらえつつ、マークス氏が言及した「バイアス」についてもう少し理解を進めよう。

「ほとんどの人、ほとんどの戦略にはバイアスがある: 攻撃的バイアスか防御的バイアスだ。
攻撃的な人は、市場が良い時にとても良く、悪い時にかなり損をする。
防御的投資家は、市場が悪い時にはかなり良いが、良い時にはあまり恩恵にあずかれない。」

マークス氏の観察によれば、良い時も悪い時もアウトパフォームするのはかなりありそうにないのだという。
同氏はオークツリーが防御的バイアスだと認めたうえで、かなり尖がった話を始めた。

「私はこれまで、市場が良い時に市場を打ち負かすのが重要である理由について説得力をもって語る人に出会ったことがない。
市場が良い時はみんな大儲けするのに、なんでそれじゃ十分じゃないの。・・・
アウトパフォームするには、一般論として、平均以上のリスク、相関、ボラティリティを取らなければいけない。」

強気相場で市場に勝つには、よほど秀でた投資家でないかぎり、高リスク資産を狙ったりレバレッジをかけたりする必要に迫られるかもしれない。
それはリスクをとること、リスク分散をしないこと、粗い値動きを許容すること。
強気相場の継続が保証されているならいいだろうが、そうでないなら諸刃の剣になる。
マークス氏はそうしたやり方に否定的で、多くの一般投資家を敵に回しかねない結論を語った。

アウトパフォームが重要となる時期は、市場が悪い時だと思う。

問題はリスクの取り方だけではない。
気の滅入るような弱気相場では、投資家は不合理な心理状態に置かれることがある。

投資の大罪とは、うまくいかないものを買うことではない。
投資の大罪とは、底値ですべてを売ってしまうことだ。

マークス氏は、母親から教わった重要な言葉を披露している。
それは読者もお馴染みの「Buy low, sell high.」だという。
日本にはめったにいないタイプの母親だったらしい。

日米市場が沸いている。
過去と比べても高値圏、さらに上値を模索しているように見える。
それに立ち会う投資家のバイアスはどちらを向いているだろう。


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