ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が、従前どおり来年の米景気後退入りを予想し、あわせて米銀リスクを避けるべきと指摘している。
最近数週の金利上昇は市場にあまりにも大きな競合をもたらしつつある。
・・・株のPERは天高く上昇し、債券利回りは400 bpも上昇した。
ガンドラック氏がFox Businessで現在の市場について語った。
同氏が「競合」と話すのは、株式と債券の間の競合だ。
株式のPERが上昇(益回りが低下)したのに対し、債券利回りは急騰し、久しぶりに債券の相対的魅力が大きく改善している。
ガンドラック氏は、フィクストインカム市場で大きなリスクを冒すことなくそこそこのリターンが得られるようになっていると解説した。
米経済の見通しについては、これまで通り、来年の景気悪化を予想している。
パンデミック時の財政出動の効果が消えていくためだ。
政府の(パンデミックへの)対処は愚かなほど大きすぎた。
・・・まだたくさんのお金が滞留しており、2023年になっても波及効果が続いた。
・・・過去に役だった伝統的指標は2024年に経済が弱くなると強く示唆している。
ガンドラック氏は、クレジットカードに依存する消費者の行動が金利上昇にともない変化しつつあると指摘する。
また、イールドカーブの長短逆転も解消に向かいつつあるように見え、これが確度の高い景気後退到来の経験則であると説明した。
米2年-10年スプレッド(青、左)と米株価(赤、右)
ガンドラック氏がもう1つ挙げた確度の高い経験則が失業率だ。
失業率は低位にあるが、さらに低下もせず、昨年平均より高くなっている。
こうした状況で、失業率の小数点第一位がいくつか増加した場合、必ず景気後退に至るのだという。
あるいは、失業率の底から0.5%以上上昇しただけで、必ず景気後退に至るのだという。
こうした観察から、ガンドラック氏は来年前半の景気鈍化、来年中の景気後退入りを予想している。
ガンドラック氏は、銀行セクターについての心配も語っている。
銀行のローンには複数年の固定金利のものも多く、多くがFF金利より低くなっていると指摘した。
これはとても大きな問題だ。
米市場の銀行セクターは避けるのが賢明だ。