13日に米労働省が発表した8月のCPIは前年同月比3.7%、先月比0.6%の上昇となり、一時よりは下がったものの、依然として2%目標を大きく超える水準だった。
コア指数はそれぞれ4.3%、0.3%の上昇。
ガソリン価格の高騰が上昇の要因の半分を占めている。
ローレンス・サマーズ元米財務長官がBloombergで、米インフレ、経済、金融政策について3つのシナリオを呈示した。
「飛行機はまだとても速く飛んでいる。
激しく着地するのか、オーバーランするのか、まだわからない。
2%インフレの経済が今後やってくる兆しはまったく見えない。」
サマーズ氏は今後の米経済について3つのシナリオを想定している。
- ソフト・ランディング
- ノー・ランディング: インフレが3%未満に下がらず、また上がるかもしれない。
- ハーダー・ランディング: 金融政策が遅れて効いてくる。
サマーズ氏はそれぞれのシナリオの確率を1/3としたものの、皆が望むソフト・ランディング実現について「とても狭い窓」と表現した。
同氏の見立ては、今サイクルの中でインフレが少し強まり、利上げがあと1回で済まなくなるかもしれないというものだ。
サマーズ氏によれば、市場の織り込みは楽観的すぎるという。
ある種の資産、特に株式市場についてとても注意しないといけない。
株式市場は現時点で完璧を前提とする価格がついている可能性があり、プラスよりマイナスのサプライズの可能性の方が大きい。